ベーコンミズトカゲは別名スラウェシクロコダイルスキンクとも言い、体のゴツゴツした感じがワニのようで顔は愛らしい、半水棲の生態を持つ面白いトカゲです♬
今回はそんなベーコンミズトカゲの特徴や生態、飼育についてご紹介していきます!
ベーコンミズトカゲの特徴や生態
- 別名:スラウェシクロコダイルスキンク、セレベスミズトカゲ、セレベスクロコダイルスキンク、アプルスクロコダイルスキンク、アプルスミズトカゲ
- 【昼行性】【地上棲・半水棲】
- 生息地:インドネシアのスラウェシ島
- 大きさ:25㎝ほど
- 寿命:不明
- 値段:1万円前後
別名がやたらと多いベーコンミズトカゲの特徴や生態と複雑な経歴をご紹介していきます!
ベーコンミズトカゲの特徴
ワニのようなゴツゴツした外見と水棲傾向が強いという個性的なところが注目を集めてきているスキンクの仲間です。
クロコダイルスキンク属はスキンク科のミズトカゲで東南アジアを中心に24種ほど知られていますが、あまり日本では注目を集めていないかもしれません(;’∀’)
体表はヨロイトカゲのように硬いウロコに覆われ、特に尾部分はトゲ状のウロコが発達。
体色は暗褐色でわずかに数本のバンド模様が入ります。
腹部は黄白色で上顎がら下顎まで口唇部が明色になっています。
一般的には近縁種である「オニヒラオミズトカゲ」は口唇部も体色と同じく暗褐色をしているので、そこで見わけを付けることが出来ます。
その他にもオニヒラオミズトカゲとの違いは、背面のウロコがトゲ状に発達しない、前肛孔が1列(オニヒラオミズトカゲは3列)をしています。
ベーコンミズトカゲの生態
野生下での生態の情報はあまりなく、森林の沢周辺が生活の場になるようで、岩の上で日光浴をしている姿なども観察されています。
水に浸かっていることも多いそうです。
繁殖形態は他のミズトカゲと同じく胎生であると考えられます。
性格は水棲傾向が強いトカゲの例にもれず臆病です。
ハンドリングは無理なようならサクッと諦めましょう!
前から人気があるシナワニトカゲに似ていますが、シナワニトカゲよりあまり大きく成長せず今後が期待されるトカゲでもあります♪
ハンドリングについてはこちらを参考にしてください。
トカゲをペットにしなつくようにするには?目指せハンドリングへの道!
ベーコンミズトカゲの経歴
これはかなり複雑というかなんというか…………….。
ベーコンミズトカゲはインドネシアのスラウェシ島のみに分布しており、スラウェシ島には本種しか生息していません。
これまでにスラウェシ産として流通していたのは「T.apulus」という学名で、そのために「アプルスミズトカゲ、クロコダイルスキンク」という商品名でした。
なんとこの学名は間違いだらけのようで、かつてはスラウェシには近縁種の「オニヒラオミズトカゲ T.grayi]が分布していると考えられ、その名前で流通していたそうですが、J.P.Bacon博士という学者が調べたところスラウェシのTropidophorusは新種であるとの結論になり、T.aphilusの学名で新種記載の準備をしていたそうです。
ですが、残念なことに1986年にBacon博士は急逝され新種記載はされなかったようです……….。
その後この「T.aphilus」という学名はひとり歩きをした結果、「スラウェシのTropidophorusはT.aphilusである」となってしまったそうです(;’∀’)
これだけでは終わらず、さらにこの学名はT.apulusと綴りが間違った形で流布してしまい、「スラウェシのTropidophorus=T.apulus・アプルスクロコダイルスキンクである」となってしまったそうです。
その後ですが、日本の学者が詳しく再調査を行って改めて新種記載を2003年に実施し、さらにBacon博士に献名をしT.baconiとなり、ようやく正式な名前が付いた長~い経歴があります(;’∀’)
何故ベーコンとついたのかを調べていたら、こんな複雑な成り行きがあって驚きました~。
ベーコンって食べ物を想像してましたが、博士の名前なんですね(;^_^A
ベーコンミズトカゲの飼育
ここからはベーコンミズトカゲに適した環境と飼育ポイントをご紹介していきます!
飼育ケージ
まず飼育ケージの大きさですが、1匹の場合は底面積60㎝×30㎝くらいで、ペアだと90㎝×45㎝ほどであれば飼育が十分可能です。
ベーコンミズトカゲには水場を設ける必要があるので水槽がベストかと思われます。
ですが、蓋を用意する必要があったり、上からお世話することになるので、トカゲちゃんが嫌がる可能性があります。
私がオススメする飼育ケージは爬虫類専用の飼育ケージで、見た目はもちろんですが、通気性も確保され飼育器具のコード類を通す穴もあり、上からではなく横からトカゲちゃんのお世話が出来るので、ストレスを軽減できます。
上から手を入れたりすると、爬虫類全般に言えますが天敵に襲われると錯覚して怯えます。
そうなると過度のストレスを与えてしまうので注意が必要なんです!
ベーコンミズトカゲは水場が必要と言いましたが、飼育ケージに直接水を入れるのは爬虫類専用の飼育ケージでは水深をとるのが難しかったりしますし、メンテナンス面でも大変になります(;’∀’)
ベーコンミズトカゲはあまり水深は必要ないようなので、爬虫類専用の飼育ケージを使用する場合は体全体が浸かれるような少し深めなタッパーに水を入れてケージ内に設置すると、水を交換しやすいですし、その他の場所の清掃などもしやすいのでオススメです♬
温度管理
半水棲のトカゲなので水の中居いる時間も多くなります。
そうなると、陸上と水中の両方の温度管理が必須となります。
更に昼行性のトカゲなので紫外線を浴びる必要があり、野性下では日光浴もしますので、その環境を作りだすためには紫外線ライトの照射とバスキングライトが必要です。
陸上での基本温度は24~26℃、バスキングスポット(ホットスポット)~日光浴する場所の温度は28~30℃に設定し、夜間は少し下げて20~22℃くらいにします。
水温は24~25℃くらいを保つようにします。
夏場は管理しやすいかもしれませんが、夏場以外の水温は熱帯魚用ヒーターやパネルヒーターを使い水温を保つようにします。
タッパーを使って水場を演出する場合は熱帯魚用ヒーターだと水量が少なく危ないので、パネルヒーターを使って暖めることをオススメします。
色々述べましたが、温度管理に必要なアイテムは以下になります。
- 保温器具(陸上用と水場用の2つ)
- 紫外線ライト
- バスキングライト(日光浴場所に使用)=バスキングスポット(ホットスポット)と言います。
暖突は飼育ケージの上部に取り付けるヒーターになります。
飼育ケージの真ん中か水場の真上あたりに取り付けて基本温度を管理します。
こちらは水場の水温管理に使います。
水場に使うタッパーなどの下に設置しますが、こちらは飼育ケージの外側、つまり飼育ケージの下に置くタイプになります。
丁度水場の真下にあたる場所に設置しましょう。
こちらはバスキングスポット(ホットスポット)用のバスキングライトと紫外線ライトの両方を兼ね備えていますので一石二鳥です。
設置場所ですが、水場とは反対側にバスキングスポット(ホットスポット)を設置しますので、その上部に取り付けます。
バスキングスポット(ホットスポット)には岩や流木などを置いてあげると良いですよ♪
そしてベーコンミズトカゲは本来うっそうとした薄暗い場所にいますので、日陰になる場所も作ってあげると良いですよ~。
こちらだと一石二鳥かな~。
湿度管理
飼育ケージ内の明確な湿度は調べても出てきませんでした(;’∀’)
生息地であるスラウェシ島の湿度を見ると、平均して60~70%の湿度が必要かと思います。
湿度管理に役立つアイテムは床材と水入れや霧吹きなどになります。
飼育ケージ内には水辺を作るのですが、私がオススメしているのは全身が浸かることのできる少し深めなタッパーなどに水を入れて設置することなのですが、水をケージ内に置くことで湿度を保ちやすくなりますが、それだけだと足りない場合もあります。
飼育ケージ内の湿度をチェックし、足りないようなら飼育ケージ内の床材や壁面などに霧吹きしましょう。
ベシャベシャにしないように注意ですよ♪
そして床材ですが、湿度を保ちやすいのがヤシガラやバークチップなど。
霧吹きでヤシガラなどを湿らせておくことが出来ます。
1つ難点なのが、排泄物を区別しにくいところ(;’∀’)
気になる方はもう少し色味の薄いものを選ぶと良いですよ~。
ヒノキチップを混ぜるとダニ予防になるそうですが、気になる方はまめに床材全てを交換すればヒノキチップは不要かと思います。
でも気になる方は使用をオススメします。
私は使うかも(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
もしまめに霧吹きするからもう少しお手入れ楽ちんな床材が良いという方は、見栄えはよくありませんが、キッチンペーパー、ペットシーツ、新聞紙などがあります。
排泄物を見つけたらすぐに取り除き、ヤシガラなどの床材を使用の場合が排泄物の周りの床材も一緒に除去し、足りなくなった分を補充。
1~2か月に1回は床材全てを交換してください!
ダニなどの予防になりますし、飼育ケージ内を清潔に保てます!
そしてもう一つ湿度管理に役立つのがウェットシェルター。
シェルターの上部の窪みに水を入れて使用します!
餌
餌はコオロギやデュビアなどの昆虫類をメインに与えます。
コオロギは後ろ足を取ってから与えるといいですよ~。
もちろん生餌です((((;゚Д゚))))
そしてメスのコオロギの成虫を飼育ケージ内に放置していると、暖かく湿った床材に卵を産みつけられ飼育ケージ内に幼虫が大発生することもあるので注意をΣ(゚∀゚ノ)ノキャー
虫が苦手な方にはホラーでしかありませんね(;’∀’)
可能ならピンセットから餌を食べてくれたら生餌じゃなくても大丈夫なのですが……….。
一応ハンドリングの方法の手順としてピンセットから餌を与えるというのがありますので、ハンドリングについても学んで挑戦してみる価値はあるかと。
ただ、ベーコンミズトカゲちゃんがストレスを感じているようならすぐにやめること!!!
そして餌にはカルシウム剤をまぶして与えてください。
カルシウムが不足するとクル病という骨の病気になる可能性があります。
カルシウム剤には2種類あり、カルシウムのみのタイプとビタミン入りのタイプがあります。
その両方を用意します。
ビタミンはカルシウムの吸収を促す効果がありますが、ビタミンを取りすぎるとクル病に似た症状を引き起こす恐れがあるので、普段はカルシウムのみのタイプを餌にまぶして与え、週に1回程度はビタミン入りのタイプを添加して与えるようにしましょう!
ベーコンミズトカゲ まとめ
いかがでしたか~???
半水棲のトカゲは水中にいる時間も多くなるので、飼育ケージ内に水場を設けることが必須になりますし、飼育のポイントとなります。
ケージに直接水を入れる方法もありますが、ベーコンミズトカゲは水中に排泄するので、水の交換が大変だったりします(;’∀’)
そういった意味でもケージに直接水を入れる方法ではなく、タッパーなどで水場を作る方法をご紹介しました~♬
見栄えは劣りますので、お好きな方でベーコンミズトカゲちゃんをお迎えしてあげてくださいね!
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