日本人にとっては身近な爬虫類と言えば、ニホントカゲ、ニホンヤモリ、そしてニホンカナヘビ。
今回はカナヘビの特徴や生態、そして飼育方法をご紹介していきます。
カナヘビを保護したけどどうしたらよいのか分からない人も参考になると思います♪
カナヘビの特徴や生態
- 【昼行性】【地上棲】
- 生息地:日本全土
- 大きさ:16~27㎝ほど
- 性格:警戒心が強い
- 寿命:4~9年
- 値段:700~800円ほど
これからカナヘビ(ニホンカナヘビ)の特徴や生態をご紹介していきます。
ペットにしたい方や、ひょんなことから保護してしまった方も知っておくといいですよ~♬
ニホンカナヘビの特徴
ニホンカナヘビは日本の固有種の爬虫類で、北海道、本州、九州およびその属島、屋久島、種子島、トカラ列島の中之島、諏訪之瀬島まで広く分布し、海岸近くの平地から1000m以上の産地まで生息しています。
一般には平地から低山地帯の範囲に多く、森林より草地や林縁部のマント群落などでよく姿を見られ、生け垣や植え込みなどの緑の多い郊外の宅地や雑草の繁る空き地などでしばしば繁殖するそうです。
マント群落って何?って感じですが、森林の周辺に発達する植物や小低木の群落の事を言います。
森林内への風の吹きこみを防いだり、直射日光による感想を防いだりし、森林内の環境を保つ役割があるのだとか。
話は少しずれましたが(笑)
ニホンカナヘビは東京都と千葉県にてレッドリストの準絶滅危惧相当の指定を受けています。
全長は16~25㎝ほどで、尾は全長の三分の二を占めるほど長く、ニホントカゲよりも尾が長いみたいです。
そして、体は生息地が南へ行くほど細くなる傾向があり、同じニホンカナヘビでも北海道のカナヘビは体に占める尾の長さの割合が70%に貼るのに対し、屋久島のカナヘビは74%になるのだとか。
ウロコにはニホントカゲのような光沢はなく、表面はザラザラし乾いたような感じに見え、背面のウロコは特に大きく、1枚ごとに1本の強い稜線が存在し、その後端は尖っています。
体色は背面が灰褐色~褐色をしており、腹面は黄白色~黄褐色。
通常側面には鼻孔の直上からから始まり、目・耳を横切って尾の付け根まで達する黒褐色の色帯と、目の下の縁から始まり耳の下を通って後方に伸びる同色の色帯が存在し、この2本の色帯の間は黄白色の帯となっています。
ですが、個体によってはこれらの色帯が前足の付け根あたりまでしか存在しない場合もあります。
目も耳も発達しており、特に耳はニホントカゲよりも大きくて、色も黒っぽいため良く目立ちます。
四肢も良く発達していて、それぞれ5本の指を持ち、後ろ足の第4指は特に長いのでニホントカゲとの区別するのにも役立ちます。
ニホンカナヘビの生態
ニホンカナヘビは低地から低山地にかけての草原や藪地などに生息しており、民家の庭などでも見かけることがあります。
夜間は茂みや葉の上で眠ります。
基本的には昼行性ですが、盛夏では炎天下を避けるため、木陰や草の茂み、石や建築物の隙間など日光を遮る場所で過ごし、活発に活動する時間帯は早朝や夕刻に集中します。
地表を中心とする低い場所を動き回りますが、高さ2m程度までは樹などに登ることもあります。
そのため、都市近郊の住宅地がブロック塀などで細分化されてしまうと、ニホントカゲは個体群が細かく分断されて絶滅しやすいのに対し、ニホンカナヘビはこうした障壁を乗り越えることが出来ますので繁殖を維持することができて生き残りやすい。
体温調節の為に日光の当たる場所で静止(日光浴かなw)している姿もよく見られますが、人影に驚いたりすると素早く草木の間に逃げ込み、そしてまたすぐに静止して周りの様子をうかがうなどの行動をとります。
そういった面で警戒心が強いと言われるんですね♪
ニホントカゲは石や倒木の下に隠れますが、カナヘビは茂みに逃げ込むことが多いそうです。
捕まりそうになると尾を自切することがあり、切れた尾が動いて敵の注意をそらしている間に逃げます。
尾は切れますが、また生えてきますのでご安心を。
ですが、再生した尾=再生尾には骨がなく、まれに二又になった個体が見つかることもあるのだとか。
食性は完全な動物食性で、昆虫類やクモ、ワラジムシなどの陸棲小型節足動物を食しますが、たまにそれらの死骸や落下した果実も食べることがあるそうで、飼育下では個体によっては人工飼料も食べるようになるそうです。
繁殖に関しては、成体は春から夏にかけて交尾をし、その際にオスがメスの頭部から腹部にかけて咬む種交尾した後のメスの体にはV字型の咬み跡が残ることがあります。
ちょっと乱暴なので人間だったらメスに嫌われますね( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
5~9月の間に1回につき1~8個の卵を、年に1~6回に分けて産みます。
産卵場所は草の根本など。
卵は白く、産卵直後は長径1㎝×短径0,6cmの楕円球をしており、ニホントカゲのように卵の保護は行いません。
産み落とされた卵は、発生に必要な水分を周囲の土などから吸水し約1,5倍の大きさまで成長し、約2か月で全長が5~6㎝ほどの幼体が孵化します。
孵化後は脱皮を繰り返し、ほぼ1年で成体となります。
幼体には色帯は存在せず、全身が黒褐色をしています。
生息地の地方にもよりますが、11月頃に地中に潜って越冬します。
カナヘビの天敵となるのは、小型の哺乳類や鳥類、ヘビ類など。
モズの「はやにえ」の餌食にもカナヘビが見られるそうで、特にトカゲ類を好むヘビのシロマダラは本種をよく捕食すると言われます。
幼体の頃はカマキリなどの肉食性昆虫にも捕食され、まれにですがカナヘビの生態に共食いされることも確認されています。
飼育下では冬眠中の個体がワラジムシに食べられたケースもあるのだとか。
意外と侮れないですね。ワラジムシ…………….。
カナヘビと人間との関係
これ、ちょっと面白いのですが、身近な爬虫類なので庭先や公園などで見かけることもあるので、親しみを込めてなのかわかりませんが、色んな愛称で呼ばれているそうです。
地方や年代によって、ペロちゃん、カガミソ、カガミッチョ、カガメッチョ、カナゲッチョ、カナチョロ、カナメッチョ、カナンチョ、カネチョロ、カマゲッチョ、カラメッチョ、チョロカゲ、トカゲ、カランキョ、カベチョロ、カマチク、カマチコなど多くの呼称が存在します。
なんかユーモラスのものが多いですね(笑)
そして、ニホンカナヘビをトカゲと呼び、ニホントカゲをシマトカゲ、またはカナヘビと呼ぶ地域があるのだとか(栃木県など)。
「ニホンカナヘビ」という和名ですが、日本爬虫両棲類学会の総会で2002年10月6日に承認採択された標準和名ですが、過去の文献によると専門書や一般書問わず単に「カナヘビ」と表記しているものが多いです。
カナヘビの語源については詳細は不明なんですが、一説によるとヘビの意で「愛蛇(カナヘビ)」と呼んだのではとの説があります。
でもヘビには似てませんよね~(笑)
生き物を飼育していると必ず匂い問題が出てきます。
爬虫類も例外ではありません。
気になる方はこちらもご覧ください。
カナヘビの飼育方法
ここからニホンカナヘビの飼育に適した環境やポイント、餌などをご紹介していきますが、保護した場合など簡単な方法も一緒に説明しますね~♬
ニホンカナヘビに適した飼育環境
まずは飼育ケージ選びですが、体は小さくても運動量が豊富なので広い飼育ケージが必要です。
理想は単独飼育で幅が90㎝。
もう少し小さめなら幅60㎝ほどで高さがある程度あるタイプを選びましょう。
ニホントカゲに比べ、立体行動もたまにしますので流木などを立てかけてあげるとよりベスト。
爬虫類専用の飼育ケージがおすすめです。
風通しがいいように天井部分がメッシュ素材になっており、前扉のタイプが主流。
そして扉にはロック機能も付いています。
ちょっとでも隙間があれば(扉を閉め忘れたなど)脱走します(;’∀’)
一時保護の場合ですが、急を要しますよね(;’∀’)
その場合は虫かごにキッチンペーパーを敷いて、そこにカナヘビを入れてください。
虫かごにもちゃんと空気穴ありますから。
虫かごない場合ですが、仕方ないので何かの容器にキッチンペーパー敷いて、空気穴を風通しもいいようにいくつかあけてください。
9月以降に保護した場合は、翌年の暖かくなる時期まで飼育しないといけませんので、小さい虫かごで約半年飼育するのは難しいです。
せいぜいこれくらいの虫かごが必要です。
ですが、保温器具を使うと融ける可能性がありますので注意を!
カナヘビは日光浴が大好きなので、バスキング(日光浴)の為のライトと、紫外線を照射するライトの2つが必要です。
これらの機能が一緒になったライトもありますよ~。
バスキングスポット(ホットスポット)には35℃前後の温度になるように設定し、体を温め、紫外線(UV)ライトは紫外線を照射してビタミンの生成をしてくれます。
これらのライトの点灯時間ですが、8時間を目安としてくださいね。
それに加え、保温器具も必要になります。
保温器具はライト系とパネルヒータータイプなど種類がありますので、お好みで。
私は電球の交換が不要なパネルヒータータイプがおすすめです♬
一時保護の場合は、比較的体は丈夫なので、長期間飼育しないのであればこれらのライトは使用しなくても飼育は出来ます。
ケースを置く場所は日当たりの良い場所にしましょう!
保護した場合ですが、9月以降に保護した場合は翌年の暖かくなる時期まで保護する覚悟が必要です。
そうなると保護した方のお住まいの地域にもよります。
日中は暖房などで家の中が暖かいですが、夜間には暖房は消しますよね?
北海道でもそうですが、北海道などの寒い地域の夜間の室温はかなり低い(-_-;)
そうなると保護したカナヘビを入れたケースも暖めないといけません。
10℃くらいになると越冬の為に冬眠状態になります。
初心者には冬眠させるのは難しいので、保護している間は冬眠させないで一時飼育することをオススメします。
湯たんぽなどで工夫し、急場をしのぎ急いで爬虫類専用の保温器具だけでも購入しましょう。
ですが先ほどのケージでも言いましたが、虫かごなんかだと融ける可能性あるので使用できるかどうか保温器具を選ぶときに確認が必要です(;^_^A
こちらは大丈夫です。
ケースの外側に取り付けます。
ケースの下に敷くのがいいかもしれませんね~。
床材(床に敷くもの)は保湿性の高いヤシガラやヤシガラマットなどを敷いてください。
2~3㎝くらいが目安です。
何もしかないと、床がツルツル滑ってケガの元になりますので、必ず床材は敷いてください。
見栄えは悪いですが、新聞紙やキッチンペーパー、ペットシーツなどの代用が出来ます。
飼育ケージには水容器も入れてください。
飲み水としてだけでなく。カナヘビは水浴びもするので、全身が浸かれるくらいの容器が必要になります。
浅めのタッパーなどOK。
水は毎日交換してくださいね。
たまに水容器から水を飲まない子がいますので、1日1回は霧吹きでケージ内の壁面などに水滴を作り、それを舐めて水分補給してくれます。
飼育ケージ内がべちゃべちゃになるくらいまで霧吹きしたらダメですよ~!!!
その他にも木の枝や流木、バスキングスポットにはレンガや岩など置いてあげると良いですよ♪
そして隠れる場所も作ってあげると安心するかもしれませんね。
その場合はシェルターを設置してあげてください♪
保護した場合は素焼きの植木鉢の一か所(出入口)を作ってあげたり、牛乳パックなど何でもOKです。
細かい飼育についてはこちらを参考にしてください。
ニホンカナヘビの餌
カナヘビは完全な動物食性なので、飼育下では生きた昆虫類を与える必要があります。
通販でも入手できますが、コオロギ、デュビア、ミールワーム、ハニーワームなどを与え、餌昆虫には週に1回は爬虫類専用のカルシウム剤を餌昆虫にまぶして与えましょう。
カナヘビに与える餌についてはこちらを参考にしてください。
カナヘビの飼育方法のまとめ
トカゲも身近な爬虫類なので、ペットにしたい場合以外に保護した場合も他の爬虫類より多いかもしれません。
どちらのせよ、期間関係なく飼育することに変わりはありませんので、なるべくカナヘビちゃんが健やかに生活できるようにしてあげたいところです。
保護の場合はあまり費用はかけたくないかもしれませんが、ある程度の費用は覚悟しないといけません。
特に保護した時期が9月以降の場合は翌年の春まで飼育する必要がありますから、それも踏まえて保護してあげて欲しいな~と思います♪
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