タイトルにもある通り、オオヨロイトカゲはこのまま密猟が続けば5~10年後には絶滅すると言われているヨロイトカゲです。
爬虫類ファンにとっても何とも言えない悲しい現実ですが、今回はそんなオオヨロイトカゲの特徴や生態、絶滅の危機の理由、飼育や餌についてご紹介していきます。
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オオヨロイトカゲの特徴や生態
- 【昼行性】【地上棲】
- 生息地:アフリカ共和国北東部
- 大きさ:最大40㎝ほど
- 寿命:10年前後
- 値段:70万円ほど
これからオオヨロイトカゲの特徴や生態についてご紹介していきます!
オオヨロイトカゲの特徴
オオヨロイトカゲの最大全長は40㎝で、ヨロイトカゲ科最大種(カタトカゲ科をヨロイトカゲ科の亜科とした場合を除く)のヨロイトカゲです。
オオヨロイトカゲは、左右の鼻孔が開口するウロコは接することなく、吻端を覆うウロコと額鼻板部分は接しています。
後頭部にはトゲ状の突起の大型のウロコが4枚並び、背中部分には筋状の盛り上がり(キール)がある大型のトゲ状のウロコで覆われています。
大腿部には小さい孔の空いたウロコ(大腿孔)が20~24枚ほど並んでおり、尾部はトゲ状の突起のある大型のウロコが環状に並びます。
体色は背面が黄色や暗褐色をしており、不明瞭な暗色の斑が入る個体もいます。
頭部や体側面、覆面の色は黄色で胸部に不明瞭な暗色の斑が入る個体もいます。
生まれた幼体は全長が11,5~15㎝で、背面に不規則な赤褐色の横縞が入り、尾部には黄色や黒の横縞や赤やオレンジ色の斑紋が入ります。
幼体はやや派手めですね♬
オオヨロイトカゲの生態
オオヨロイトカゲは平坦~傾斜の緩やかな草原に生息しています。
日光浴を非常に好み、太陽へ向かって四肢を広げ首を反り上げる姿勢をとるのが特徴的で、この姿勢が英名である「Sungazer =太陽を見つめるのもの」の由来にもなっています。
長さが1,5 ~2メートル、深さは0,4メートルにも達する深い横穴を掘って生活し、危険を感じると巣穴へと逃げ込みます。
冬場は巣穴でじっとして過ごしています。
食性は動物食性で、甲虫類やバッタ類、シロアリ類などの昆虫、クモ、多足類、小型のトカゲ類などを食します。
飼育下ではマウスを食べたという例もあります。
繁殖形態は胎生で、1~2頭の幼体を出産し、出産期は夏季から秋季にかけて、出産間隔は隔年となっています。
オオヨロイトカゲは約10年後には絶滅するの?!
オオヨロイトカゲは5~10年後には絶滅するかもと言われています。
一体どうしてそうなったのか、理由や現状などをご紹介いたします。
オオヨロイトカゲが絶滅危機の原因とは?!
科学者によると、密猟や開発のせいでオオヨロイトカゲが激減しているという論文が科学誌の「Journal for Nature Conservation」に発表されたそうなんです(-_-;)
他の爬虫類も絶滅危惧されている種が多くありますが、やはりそのほとんどの理由が密猟や開発が原因です。
論文の著者の1人でもある南アフリカのウィットウォータースランド大学の「シバン・パルナス氏」は、ナショナルジオグラフィック教会の助成を受け、同国東部の草原に生息するオオヨロイトカゲを研究しています。
オオヨロイトカゲはトゲトゲしたヨロイのような体なので、捕食者には有効ですが、生息地を分断する道路や農場からは身を守れません。
伝統的な媚薬を作ろうとオオヨロイトカゲを捕まえる地元住民からも逃れられないし、違法採集に加担する爬虫類マニアに対してもなすすべがないのが現状。
「この種は今、急速に数を減らしています」とパルナス氏は言っています。
ドイツ、ヘルムホルツ環境研究センターの保全科学者で、今回の研究には参加していないマーク・アウリヤ氏もそれに同意し、「今の状況が変わらなければ、オオヨロイトカゲは今後5~10年で絶滅するでしょう」と断言しています。
研究者がここまで断言するほど、危機に瀕しているんです。
オオヨロイトカゲの現状
オオヨロイトカゲは、詳しい科学的研究が何十年も行われずにいましたが、そこでパルナス氏らの研究チームは完全な分布目録を作ることを目指して、1970年代に巣穴が見つかった80か所近い地点を訪れたそうです。
その結果、オオヨロイトカゲは現在、南アフリカの約1149平方キロの範囲に生息していることが判明しました。
アウリヤ氏によると、これは以前の分布域のおよそ3分の1だと。
さらに悪いことに、1978年にオオヨロイトカゲが住んでいたという地点のうち3分の1で生息が確認できなかったそうです。
調査中に研究チームが目にしたのは、爬虫類ファンとしても許せない光景でした。
チームがオオヨロイトカゲの代わりに見つけたのが、罠、鉤状のワイヤー、荒らされた巣穴と言ったドラゴン狩りの痕跡だったそうです。
チームは営巣地点を選んで野性個体の定点観測を試みましたが、2016年末に巣穴の多くが何者かによって掘り広げられ、巣の主は消えていたそうです。
「本当に衝撃的でした」とパルナス氏は振り返ります。
何故、密猟が減らないのか?
オオヨロイトカゲの減少が危惧されているため、オオヨロイトカゲの捕獲許可を南アフリカ政府から得るのは不可能ではないがかなり難しいそう。
しかも、飼育下での繁殖が成功したという報告はないにもかかわらず、政府に申告されたオオヨロイトカゲの輸出数は右肩上がりで、1985~1994年の10年間には357匹だったのが2005~2014年の10年間には660匹に増えています。
何故なのか?
密猟者は野生の個体を密猟して「ロンダリング」し、輸出書類では飼育下で生まれたと申告しているのだとパルナス氏らは考えているそうです。
関係機関に申告されずに国外へと持ち出されたオオヨロイトカゲが一体どれくらいいるのか。、研究者たちもつかめていないそう。
オランダの捜査当局では、南アフリカからアムステルダムに空路で到着した男性のスーツケースからオオヨロイトカゲを19匹発見。
この人物はドイツでの爬虫類フェアに行く途中だったという。
爬虫類ファンからしてみれば、行き過ぎた行動であり、真の爬虫類ファンではなく、お金儲けの道具でしか生き物を見ていない極悪非道ともいえる所業(# ゚Д゚)
さらに残念なのが、爬虫類ファン向けのウェブサイトには、オオヨロイトカゲに関して「購入希望」「販売中」という広告が出ており、公的機関に届けられている売買よりも、闇取引のほうが「ずっと大規模」だろうとパルナス氏は話しているそうです。
同じくらい把握できないのが、「ムティス」という南アフリカの薬品市場で売るために捕殺されるオオヨロイトカゲの数。
この地域では伝統的に、女性がオオヨロイトカゲの粉末を食べると、パートナーが多くの交際相手を持つことに寛大になると言われているらしい。
オオヨロイトカゲの分布域の人たちの生活の一部でもあるようなので、本来ならこれくらいは許容範囲だとは思いますが、やはりペットとしての密猟のほうが問題なのかなと感じます。
とても残念でなりません…………….。
現在は繁殖個体の流通はあるものの、ごく稀。
まだまだ繁殖方法が確立したとは言えない状態なのかもしれません(;’∀’)
アフリカ政府がオオヨロイトカゲの輸出を一切禁じ、さらに国内繁殖個体が増えることを願ってやみません。
オオヨロイトカゲの飼育
オオヨロイトカゲの飼育や餌については、ヨロイトカゲの記事を参考にしてください。
最大でも40㎝ほどなので、爬虫類専用の飼育ケージが市販されているのでおすすめです。
オオヨロイトカゲのまとめ
オオヨロイトカゲはとてもカッコいいトカゲでかなり高価で魅力的ですが、とても悲しい現状にあることを爬虫類ファンとしては忘れてはいけないな~と感じます。
もしオオヨロイトカゲを飼うことが出来たなら、大事に育てて欲しいと思います♪
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