人間を超える大きさなのに俊敏な動きで狩りをして、相手に噛みつくと毒を流し込むコモドオオトカゲは驚異的な存在で敵もいない不思議がたくさん詰まったトカゲです。
今回はそんなコモドオオトカゲ(コモドドラゴン)の基本、特徴や生態、なぜ天敵がいないのにごく狭い範囲しか生息していないのかの謎に迫ります( ̄▽ ̄)
コモドオオトカゲの特徴や生態
見るからにボスキャラチックなコモドオオトカゲ。
そんな彼らの特徴や生態、人間との関係についてこれからご紹介していきます!
コモドオオトカゲの特徴
コモドオオトカゲは、最大全長313㎝にもなる大きなトカゲの仲間です。
平均全長が約200~300㎝、体重が約70㎏で頑丈な体型でメスよりオスのほうが大型になります。
最大全長はハナブトオオトカゲに負けますが、本種のほうが尾の比率が短く体重が重たいので迫力もあります。
分布域には数万年前まで肩高が150㎝のゾウが分布していたため、それらを捕食するために大型化したという説もあります。
体色は暗灰色と地味で、頚部や背面では褐色を帯びている個体も存在します。
東部は意外と小型で細長く、吻はやや太く短く、吻端は幅広くて丸みを帯びており、鼻孔は吻端よりでやや前方に向かって開口しています。
とにかく見た目はいかつい感じです(笑)
コモドオオトカゲの臭覚は発達しており、4㎞先にある動物の死骸の臭いも察知することが出来ます( ゚Д゚)
歯は基部が幅広く側扁しており、先端が尖り後方へと湾曲しています。
歯の縁はノコギリ状になっていて、獲物の肉を切断できるようになっています。
四肢もまた発達しており、鋭い爪があり、尾は側扁しています。
孵化直後の幼体の大きさは全長25~56㎝とBIG!!!
幼体時の胴体部分には黄色い斑点がありますが、成長に従い斑点は消失します。
そして地味になります( *´艸`)
ハナブトオオトカゲいついてはこちらをご覧ください。
コモドオオトカゲの生態
コモドオオトカゲの生息地はインドネシアのコモド島、リンチャ島、ギリダサミ島、ギリモタン島、フローレス島南部。
乾燥した落葉樹林やサバンナ、雨季にのみ水がある河辺林等人生息し、幼体時は樹上傾向が強くて成体になると大型個体を除いて木に登ることもあるという程度になります。
薄明時から日光浴を行って体温を上げてから活動し、水中を泳ぐこともあるそうで、450mの距離を泳いだり水深4mまで潜水した例もあります( ゚Д゚)
まさにトカゲ界の超人ですね(笑)
全長が75㎝以下の個体は主に樹洞や樹皮の下などを巣穴としており、全長が75~150㎝以下の個体は地表の穴も利用するようになるそうで、150㎝以上の個体は自分で穴を掘ったりイノシシ類やジャコウネコ類の古巣を巣穴として利用します。
外敵に襲われると噛みついたり尾を打ち付けて戦います。
食性ですが、主にイノシシやシカ、野性化した水牛、ヤギなどのウシ科の大型哺乳類を食べていますが、げっ歯類、コウモリ、サル。、ジャコウネコ類などの哺乳類、鳥類やその卵、クサリヘビ科、コブラ科、ウミガメ科などの爬虫類やワニの幼体、動物の死骸なども食します。
幼体時は昆虫やコウモリ類などを食べます。
獲物を待ち伏せて通りがかった獲物を素早く捕食。
コモドオオトカゲの繁殖形態は卵生で、オス同士は直立して組みあい(コンバット行動、コンバットダンス)をしてメスをめぐり争います。
5~8月に交尾を行い、オスは舌を出し入れして臭いをかぎ、その後にメスの背中に爪を立てて音を出してメスが受け入れると交尾をします。
9月には斜面やツカツクリの巣に穴を掘り、1回に10~30個の卵を産みます。
卵は4月に孵化し、生後5~7年で性成熟すると考えられています。
他にも単為生殖を行い、毒を持っているという特徴があります。
コモドオオトカゲと人間との関係
以前は小スンダ列島に全長が約7mもある水牛を倒す、火を吐く(舌を出す)オオトカゲや陸棲のワニが生息すると言われていたようですが詳細は不明でした。
その一方で少なくとも1840年にはスンバ島の首長がコモドオオトカゲに関する記録を残していたそうで、1910年にはコモド島に不時着したオランダ人パイロットによる目撃情報や、同年に全長2m以上の個体が射殺されたことによって本種の詳細が判明しました。
1912年になってジャワ島に持ち込まれた2頭の成体と1頭の亜成体を元に記載されたそうです。
そんなこんなで、やっとコモドオオトカゲの存在が明らかになりました~。
そんなコモドドラゴンですが、飼育下では幼体から馴らした個体は人間や飼育環境に適応すると言われています。
飼いならすと飼い主と一緒に散歩するほど馴れるそうですが、その一方で1974年に成人の男性がコモドオオトカゲに襲われ食べられたという記録も((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
コモド国立公園によると、1974年以降30人がコモドオオトカゲに咬まれ、そのうち5人が死亡しています。
そして家畜が襲われたという例もあります。
日本ではヴァラヌス・コモドエンスィスとして特定動物に指定されています。
特定してい動物とは、日本の法律「動物愛護管理法」の規定に基づいて、人の生命、身体または財産に害を加える恐れがある動物として政令で定められている動物種の事。
※特定動物の飼育・飼養または保管を行おうとするものは、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければなりません。
コモドオオトカゲは農地開発や森林伐採による生息地の破壊、密猟による獲物の減少などにより生息数眼減少しています。
以前はパダール島にも分布していましたが、獲物となるシカを人間が借りつくしたため絶滅し、フロレス島の大部分でも生息数が激減しています。
1970年にはインドネシア政府により生息地コモド国立公園が指定されています。
パダール島には他島の個体を再導入する試みが進められています。
1975年のワシントン条約発効時からワシントン条約附属書Ⅰ類に掲載されています。
1981年での生息数は7,213頭と推定されています。
ワシントン条約(サイテス)についてはこちらを参考にしてください。
コモドオオトカゲの以外に知らない話
ここからは天敵がいないのに生息範囲が狭い理由など意外と知れらていないコモドオオトカゲに迫ります!
コモドオオトカゲは何故広い範囲で生息していないのか?
コモドオオトカゲは長距離を移動できる体力があり、天敵がほとんどいないのにもかかわらず、なぜ狭い範囲でしか生息していないのか、一部では不思議に思われていました。
インドネシアのバリ島からティモール島にかけての小スンダ列島がコモドオオトカゲ唯一の生息地ですが、最新の研究によると、コモドオオトカゲは地元での生活に大変満足していて、生まれ故郷からほとんど出ていかないということがわかりました。
同列島でのコモドオオトカゲの移動パターンを10年にわたって追い続けた成果をまとめた論文によると、コモドオオトカゲの移動および運動能力は秀でており、時には生息する谷の中を1日に10㎞以上動き回ることが分かったそうです。
オーストラリアのディーキン大学の生態学者であり、論文の筆頭著者でもあるティム・ジェソップ氏は「トカゲとしては、とても活動的です」と答えています。
コモドオオトカゲは故郷が大好き?!
コモドオオトカゲは出不精や方向音痴だから生息地を広げないというわけではありません。
どちらかというと意図的なモノがあるみたいです。
例えば、島の端から反対側の端へ何キロも離れた場所につれていかれたコモドオオトカゲは、数か月かけて元居た場所へと戻ったそうです。
その一方で、泳げばすぐにたどり着けるような短い距離の別の島い連れていかれた個体は、その場所にとどまったそうです。
あれ?コモドオオトカゲて泳ぎ得意じゃなかった?
そう思いますよね。
ということは水そのものが問題ではなく、島の間の海を横断することにはリスクがあってそれを避けていると考えられます。
小スンダ列島は強い海流に囲まれているため、コモドオオトカゲは容易に沖へと流されてしまうみたいで、たとえ他の島へ流れ着いたとしても、食物の種類や繁殖相手の質が大きく異なっている可能性があるそう。
成長したコモドオオトカゲにとっては、食物が不足した小さな土地にたどり着いてしまうことは死を意味しかねず、それより定住する方がメリットが大きい可能性があり、事実、10年にわたる調査では島の間の海で発見されたコモドオオトカゲはわずか2頭だったとか。
コモドオオトカゲは故郷が好きとかではなく、強い海流が危険なこと、無理して泳ぎついた先での食物や繁殖相手などのリスクを知っていることになりますよね(;’∀’)
これはきっと私たち人間がコモドオオトカゲの存在に気が付く遥か昔に学んだ蘇生術かもしれません。
厳つい見た目は、色々な努力の結果なのかも…………..。
なんて思ったら、いかつい顔がとても愛おしくなります(笑)
コモドオオトカゲのまとめ
コモドオオトカゲの基本編を今回ご紹介しました!
コモドドラゴンは最強だとか、毒を持っているだとか、ヨロイを纏っているだとか、まるで都市伝説化のようなことが言われていますが、それらについても今後解説していきたいと思います♪
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