アカアシガメは名前の通り、足に赤いウロコがあり、頭部にも赤い部分がある、とても特徴的なリクガメです♬
そんなアカアシガメの特徴や生態、飼育についてご紹介していきます!
その他のリクガメの種類はこちらをご覧ください。
アカアシガメの特徴や生態
- 生息地:自然分布~アルゼンチン北部、ガイアナ、コロンビア、スリナム、トリニダード・トバゴ(移入の可能性あり)、パナマ南東部、パラグアイ、ブラジル、仏領ギアナ、ベネズエラ、ボリビア西部、
- 移入~アメリカ(セント・クロイ島、プエルトリコ)、ジャマイカ、ドミニカ共和国、ハイチ、小アンティル諸島など
- 最大甲長:51㎝
- 寿命:約30~50年
- 食性:植物食性の強い雑食性
- 値段:約2万円
画像を見ると、前足の赤い部分がとても綺麗ですね♪
頭の赤い部分が多いタイプは「ブラジリアン・ドワーフ・チェリーヘッド」と呼ばれています。
アカアシガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
アカアシガメの最大甲長は51㎝で、背中の甲羅(背甲)の形は、ドーム状に盛り上がっており、背甲の側面はくびれ、上から見たシルエットはやや細長くてヒョウタンのような形をしています。
背甲の外側の甲板である縁甲板の後部の外縁は尖らず、背甲の色は黒や暗褐色で、孵化直後からある甲板(初生甲板)やその周りの色は黄色や淡黄褐色、橙色をしています。
お腹側の甲羅(腹甲)の腋下甲板の大きさは小型になり、鼠蹊甲板は中型になります。
頭の大きさは小型で、額を覆っているウロコは大型になり、その前部にあるウロコは小型で縦に分かれています。
頭部の色は褐色や暗褐色をしており、赤や橙色、黄色の斑紋が入ります。
手足の色は暗褐色になり、前足の大型のウロコに黄色や橙色の斑紋が入り、前足が赤みを帯びる個体が多いことが和名の由来となっています。
オスとメスの違いは、成体のオスが背甲の側面がメスよりもくびれる傾向にあるそうです。
アカアシガメは、亜種はいませんが、個体群を大きく4つに分ける説があるそうで、それぞれの分布域や特徴もご紹介しますね。
アカアシガメの北部個体群
こちらはガイアナ、コロンビア、スリナム、パナマ、ブラジル北部、仏領ギニア、ベネズエラなどに分布しています。
甲長が30~35㎝で、移入した個体群の甲長も平均して30㎝未満と小型になります。
背甲の色は黒や暗褐色をしており、孵化直後からある甲板(初生甲板)の色は黄色や橙色をしています。
腹甲の色は黄褐色になり、股甲板などには暗色の斑が入ります。
頭部には黄色の斑紋が、一部が赤みに強い橙色の個体もおり、前足の斑紋が赤や赤みがかった橙色をしています。
オスの成体は背甲の側面がハッキリとくびれています。
アカアシガメのブラジル東部個体群
こちらはセアラ州からマット・グロッソ州にかけて分布し、甲長が40㎝以上になることがある、大型の個体群です。
背甲の色は黄褐色をしており、つなぎ目に沿って不規則な暗色の斑が入ります。
頭には黄色や赤みがかった橙色の斑紋が入り、前足の斑紋が赤く、オスの成体は背甲の側面のくびれがありません。
アカアシガメのボリビア個体群
主にボリビアに分布し、甲長が40㎝以下になります。
背甲の色は黒や暗褐色をしており、孵化直後からある甲板(初生甲板)の色は黄色や橙色になります。
腹甲の色は黒や暗褐色で、こちらの初生甲板の周りの色は黄色や黄褐色をしています。
頭にある斑紋の色は黄色ですが、赤みに強い個体もいます。
オスでも背甲の側面はあまりくびれません。
アカアシガメのアルゼンチン個体群
アルゼンチンとパラグアイに分布し、甲長が20~22㎝と小型になります。
背甲の色は黒や暗褐色をしており、孵化直後からある甲板(初生甲板)の色は黄色や橙色をしています。
初生甲板の周りの色は黄色や黄褐色をしており、頭にある斑紋の色は黄色や赤みがかった橙色になり、前足の斑紋が赤いのが特徴的。
オスでも背甲の側面があまりくびれません。
アカアシガメの生態
アカアシガメはやや湿度の高いサバンナやその周辺にある森林の林縁などに生息しています。
アカアシガメとよく似ているキアシガメが同所的に分布しないコロンビア北東部、パナマ南部、ベネズエラ西部などの一部の地域では、熱帯雨林にも生息しています。
食性は植物食性の強い雑食性ですが、主に、花や果実を食べます。
その他にも木の葉や樹皮、根、草本、キノコ、昆虫類、陸棲の巻貝、動物の死骸なども食べます。
乾季には花を、雨季になると果実食傾向が強くなります。
繁殖形態は卵生で、コロンビア個体群は6~9月に産卵し、ブラジル中部では1年中産卵します。
1回の産卵につき2~7個の卵を数回に分けて産み、飼育下では年に6回産卵したという記録があります。
卵は140~150日で孵化し、飼育下では29~31℃の環境下で117~158日で孵化した例があります。
アカアシガメの現状と歴史
生息地では食用とされることもあります。
分布域では生息数は覆い種と考えられていますが、その一方で農地開発や都市開発、過放牧、野火による生息地の破壊や、食用、ペット用の乱獲などによって生息数は減少しています(-_-;)
パラグアイ、ブラジル、仏領ギアナ、ベネズエラでは、野性個体の輸出目的の採集は法的に厳しく制限されています。
1975年にワシントン条約(サイテス)発効時には、旧リクガメ属単位で、1977年にはリクガメ科単位でワシントン条約(サイテス)Ⅱ類に掲載されています。
ペット用として日本にも輸入されており、主に飼育下繁殖個体(CB個体)や養殖個体が流通し、野性個体の流通は減少しています。
これはとてもいい傾向ですね。
1970年代まではコロンビア産、1980年代まではアルゼンチン産やボリビア産の野性個体が流通していましたが、輸出が規制、停止したため、ガイアナ産やスリナム産の野性個体が流通します。
これらの野性個体の流通もなくなればいいのにと思います………..。
アメリカ、アメリカ経由でアルゼンチン産、ウルグアイ産、バルバトス産、ブラジル産の飼育下繁殖個体も流通しています。
ガイアナ産やブラジル産で最大でも30㎝とされる、「チェリーヘッド」「ブラジルチェリーヘッド」という、頭が赤い個体が流通しますが、流通例が短くて長期飼育の例がないので、甲長20㎝で成長が止まる個体がいたり、30㎝を超えても成長し続ける個体がいたりするので、どの地域の個体群を種親にしているのが不明だったりし、「チェリーヘッド」以外の個体との区別ができるかどうかは不明なんだそうです(;^_^A
アカアシガメに適した飼育環境と餌
アカアシガメは多くのリクガメと異なり、多湿環境に適応しているので、日本の夏の気候に適応できるリクガメとして注目されているそうですが、結構大型になるので国内ではまだ人気というほどにはなっていないようです(;’∀’)
アカアシガメに適した飼育環境
アカアシガメの押さえておきたい飼育ポイントはこちら
- 温度管理:飼育ケージ内の温度は25~30℃に、バスキングスポットは高温(リクガメの飼育を参照)、夜間は20℃前後を保ち、18℃以下にならないように注意する。
- 湿度管理:ケージ内の湿度は60~80%に保つ。
- 幼体は80%の湿度を保つ。
アカアシガメは甲長が30~50㎝になります。
最終的にどれくらいになるかは、育ててみないとわかりませんが、飼育するには爬虫類用のの飼育ケージか水槽、衣装ケースなどの容器を使用し、大きさは成長に合わせて90~120㎝のサイズをチョイスします。
30㎝以上になると、120㎝のケージや水槽は狭すぎますので、自作するか特注するか、半放し飼い、放し飼いなどになります。
ケージや水槽の底にはツルツル滑らないように、床材を敷きます。
床材は種類があり、湿度が保ちやすくて扱いやすいヤシガラがオススメです。
アカアシガメに適した湿度を保つためには、毎日最低1回は霧吹きで床材を湿らせます。
湿度を見ながら回数は調整しましょう。。
爬虫類用の加湿器もあります。
ケージ内にはバスキングスポット(ホットスポット)という高温部を作ります。
バスキングスポットにはバスキングライトを使い温度を部分的に上げていきます。
さらに、太陽の紫外線を再現するために紫外線ライト(UVライト)も設置します。
紫外線はカルシウムの吸収を促すビタミンD3を生成するのに必要になります。
カルシウムが不足するとクル病などの病気になります。
その他に、アカアシガメに適した温度がこれだけでは保てない場合もありますので、必ずこれらとは別に保温器具を用意します。
こちらも保温球とパネルヒーターと種類がありますので、お好みで。
これらを自動で管理してくれる、サーモスタットという機器もあると便利ですし、ベテランの方も使ってますよ♪
ケージ内には水入れも必要です。
アカアシガメは水浴びを良くしますので、体が浸かることのできる大きさを選びましょう。
水深は高くても体の半分くらい、首を伸ばして呼吸できるくらいです。
様子を見ながら水深も調整しましょうね♬
その他にも、隠れ家となる場所を作り、餌入れも床材を誤飲しないようにするため使用しましょう。
温度や湿度を計測する、温湿度計も必須です!
室内放し飼いの方法やその他のリクガメの飼育法も参考にしてください。
アカアシガメの餌
アカアシガメは植物食性の強い雑食性ですが、小松菜、チンゲン菜、大根の葉などの葉野菜をメインに、ニンジン、カボチャなどの根菜類、野草、バナナ、マンゴーなどの果実、リクガメフードをバランスよく与えます。
野菜にリクガメフードをプラスして与えると、栄養バランスが良いです。
リクガメフードのみだと、栄養価が高すぎる場合がありますので、併用しましょう。
野菜のみ与える場合は、栄養が足りないので、必ずカルシム剤をまぶして与えましょう。
果実は、大好物なのですが、糖分が多いので肥満や糖尿病(人間と一緒ですね)などのリスクがあり、他の餌を食べなくなる可能性もあるので、週に2回ほど、おやつ程度に与えましょう!
与え過ぎは注意!!!
餌についてはこちらも参考にしてください。
アカアシガメのまとめ
いかがでしたか?
アカアシガメは前足などに点在する赤い色が特徴的で、とても魅力的ですが、意外と大きくなりますので、そこらへんも考慮に入れて飼育するか決めましょうね♪
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