日本でもペットとして人気のヒョウモントカゲモドキですが、数多くの体色や模様などの種類が他の爬虫類に比べてかなり豊富。
ザックリ言うと、そうした模様や体の色の違いの個体を「モルフ」と言います。
今回はそんなヒョウモントカゲモドキのモルフの中でも基本となる野性色をご紹介します!
ヒョウモントカゲモドキの野性色のモルフ
ここでは、ヒョウモントカゲモドキのモルフの基本である野性色について簡単に説明します!
それから次の項目でモルフを紹介していきます!
必要ない方はここを飛ばして見てください♪
ヒョウモントカゲモドキのモルフの野性色とは?
ヒョウモントカゲモドキ(英名レオパードゲッコー)の野性色とは、ヒョウモンの本来の色彩の事を言います。
何も手を加えていないことから「ノーマル」と呼ばれることもあります。
幼体時は白あるいは薄い黄褐色の地色に太い黒いバンドが並びます。
バンドは成長とともに不明瞭になり、最終的には黒い不規則なスポットのある真理となります。
地色部分にも細かな黒い斑点が出てくることが多々あります。
品種改良が進むにつれて、流通のほとんどは繁殖個体となり、野性個体は原産国の政情不安などもあって極端に少なくなりました。
その結果、現在ブリーダーの元で生み出されるヒョウモントカゲモドキの大半が何らかの品種であるか、見た目はノーマルでもいずれかの品種の遺伝子をほぼ持つようになっています。
何の品種の血も入っていない野性個体はあまり見かけなくなってしまってようです(;^_^A
しかし、最近ではそのことに注目した部ローダーが種の親として保持していた野性個体同士から直接生まれた子供をあえて「ピュアブラッド」「ワイルドストレイン」と言った名称でリリースし始めています。
基本品種のハイイエローが「ノーマル」と呼ばれることもあるため、それと区別する意味もあるのかもしれません。
野性色にはいくつかのタイプがあります。
分布地によって種親の形質がやや異なるため、それらをきちんと区別して繁殖させているブリーダーが多い傾向にあります。
タイプの違う野性型にはそれぞれ亜種の名称がつけられていますが、ヒョウモントカゲモドキの亜種分類は曖昧な点も多いため、亜種の名を浸けられたタイプの1つであると考えたほうが良いでしょう。
野性表現ながら、これらは一種の品種であるとも言えます。
ハイイエローについてはこちら
ヒョウモントカゲモドキの野性色モルフ
ここではヒョウモントカゲモドキの野生種のモルフである5種をご紹介いたします♪
野性色モルフ1、マキュラリウス
別名:パンジャブ/ワイルド/ノーマル
ヒョウモントカゲモドキことレオパの野性型の1つで、野性個体が流通していたころの最も多かったのがこのタイプです。
ヒョウモントカゲモドキのうち、基亜種(基本となる亜種)「Eublepharius macularius macularius」にあたるとされており、亜種小名を読んで「マキュラリウス」と呼ばれます。
また、基亜種の基準原産地(学術記載されるときに元となった標本個体が取れた場所)から「パンジャブ」とも呼ばれます。
パンジャブとはパキスタンのパンジャブ州の事です。
マキュラリウスは基準である基亜種とされるだけあって、その色形は典型的な野性のヒョウモントカゲモドキのもので、黄褐色の地色に細かな黒いスポットが散ります。
地の色は他の亜種とされるタイプよりか黄色味が強く、品種の「ハイイエロー」の元となったのは野性型のうち、このマキュラリウスタイプであるとされています。
タイプとしての特徴とは別に、飼育下で繁殖が進むとヒョウモントカゲモドキは色味が明るくなっていく傾向があるので、現在野性型で販売されている個体の中にはハイイエロー並みに黄色味が強い個体も多くいます。
野性色モルフ2、モンタヌス
レオパの野性型の1つで、亜種「Eublepharis macularius montanus」にあたるされており、亜種小名を読んで「モンタヌス」と呼ばれます。
「montanusとは「山の」という意味で、この亜種が山岳部にいることを示しています。
ラテン語で「山」を意味する「monte」が語源で、元となったmonteから「モンテン」とも呼ばれます。
モンタヌスは他の野性型と比べて成体では特に黒いスポットが数多く入り、そのスポットが連続して並んでストライプのようになることもあります。
地の色も黒味が強く、黄色というよりは褐色から黒褐色と言った感じです。
幼体も、他の野性型に比べて黒味が強いとされます。
タイプとしての特徴とは別に、飼育下で繁殖が進むとレオパは色味が明るくなっていく傾向があるので、現在野性型で販売されている個体の中にはハイイエロー並みに黄色味が強い個体もいます。
野性色モルフ 3、ファスキオラータス
ヒョウモントカゲモドキの野性型の1つで、亜種「Eublepharis macularius fasciolatus」にあたるとされており、亜種小名を読んで「ファスキオラータス」と呼ばれます。
「fasciolatus」とは「帯状の」という意味で、この亜種の模様を示しています。
ファスキオラータスは他の野性型に比べて成体の黒いスポット同士が繋がってラインのようになる傾向があります。
つまり、黒い部分がよりくっきりとコントラストをなしており、帯状に見えることが多いです
地色は明褐色ですが、全体的に樹色味は薄くやや白っぽい傾向にあります。
黒いスポット部分はハッキリしており、地の色はすっきりとしていてあまり黒ずみません。
また、黒バンド部分の地色が黒というより、薄紫の場合が多く、成体になってもこの部分に薄紫が残ることが多いです。
吻端はやや尖り気味で全体的に少し細長い体型をしています。
野性色モルフ4、アフガン-A
ヒョウモントカゲモドキの野性型の1つで、亜種「Eublepharis macularius afghanicus」にあたるとされています。
アフガニスタンの南東部に分布しているとされ、そのことから「アフガン」と呼ばれます。
また、亜種小名を読んで「アフガニクス」とも呼びます。
どちらも意味は同じです(笑)
この名前で呼ばれるタイプは明らかに異なるタイプの2系統があり、どちらもアフガンの名で流通しています。
2つのタイプは特徴がかなり対照的なため、混乱を避ける意味もかねてここではAとBとして項目を分けてご紹介いたします♪
主にAタイプはアメリカ合衆国やヨーロッパを中心にブリードされています。
2つのタイプの違いは、元となった種親がそれぞれ異なるタイプだったものの、どちらもアフガンタイプとして流通していた野性個体だったために生じたものと思われます。
注意して欲しいのは、どちらかが「正しいアフガン」でもう一方は間違っている、というものではありません!!!
元来、野性個体をもとにした血統交配なので、たまたま名称が一緒になったことなるタイプであるという程度に考えましょう!
Aタイプのアフガンは、他の野性型と比べて一回り小柄で、体型もややずんぐりとしています。
体色は黄色味の強い黄褐色で、黒いスポットは繋がって囲みのような模様を形成します。
スポットが密集するバンド部分の地色は、他の野性型では黒ずんだり薄紫だったりしますが、このタイプではバンド部分の地色もバンド以外の部分の地色と同じです。
薄紫や暗色の部分が胴に少ないので、トラ柄のように見えます。
野性色モルフ5、アフガンB
ヒョウモントカゲモドキの野性型の1つで、亜種「Eublepharis macularius afghanicus」にあたるとされています。
アフガニスタンの南東部に分布しているとされ、そのことから「アフガン」と呼ばれます。
亜種小名を読んで「アフガニクス」とも呼んだりします。
どちらも意味は同じです。
この名前で呼ばれるタイプは明らかに異なる2つ系統があり、どちらもアフガンの名で流通しています。
Bタイプのアフガンは、日本を中心に、USAなどでもブリードされています。
BタイプはAタイプのアフガンとは逆に他の野性型と比べてひと回り大柄で、吻端は細長く、全体的にひょろ長いイメージです。
体色は全体的に白みが強くて明るく、バンド部分の地色は成体でも薄紫がかることが多いです。
黒いスポットは全体に散りますが、真っ黒ではなくこげ茶色のことも多くあります。
特に頭部にはスポット模様が密集します。
ヒョウモントカゲモドキの野性モルフ まとめ
モルフってホント判断が難しいですよね(;’∀’)
どれも似たように見えたりもして、なかなか画像を見て判断が出来なかったりします(笑)
ヒョウモントカゲモドキのモルフは、1記事では足りないくらい種類が豊富。
それだけ人間に愛されて親しまれて飼育が続けられたという証拠でもありますね♪
今後ももっとたくさんのモルフが登場するかもしれませんので楽しみですね~!
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