サルヴィンオオニオイガメはオオニオイガメ属の仲間で、その名の通りニオイガメでは大型の種類となります。
丈夫なので飼育がしやすい一方で、気性が荒いところもあり、ポピュラーになり切れないところもありますが、とても魅力的な亀です。
そんなサルヴィンオオニオイガメの特徴や生態、飼育についてご紹介していきます!
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サルヴィンオオニオイガメの特徴や生態
- 別名:サルヴィニオオニオイガメ
- 生息地:エルサルバドル南部、グアテマラ南部、メキシコ南東部)オアハカ州東部、チアパス州南部)
- 最大甲長:25㎝
- 寿命:20年前後
- 食性:動物食傾向の強い雑食性
- 値段:3万円くらい~
お顔を見ると、とても愛らしいのですが、口を大きく開けて防御や威嚇する姿がとても印象的で、気性が荒いとも言われています。
サルヴィンオオニオイガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
サルヴィンオオニオイガメはオスよりメスのほうが大型になり、オスの最大甲長は21㎝になります。
背中の甲羅(背甲)はややドーム状で、上から見たシルエットは背甲の中心部よりやや後ろ側が最も幅が広くなる、細長い楕円形をしています。
背甲の中心にある(人間で言うと背骨あたり)椎甲板と、その両脇にある肋甲板に盛り上がり(キール)があり、筋が3本入っている感じになります。
そのキールは非常にはっきりしているので目立ちますが、老齢の個体になるとやや目立たなくな傾向があります。
大型の個体では、同じオオニオイガメ属のスジオオニオイガメよりも幅が広くなることも特徴の1つなんだとか。
背甲の色は暗褐色、オリーブ色をしており、不明瞭ですが放射状の暗色の斑紋が各甲板にさりげな~く程度に存在します。
幼体時にはこの斑紋は成体よりもハッキリとしていますが、他のカメに比べるとあまりハッキリしているとはいいがたい個体が多いです。
お腹側にある甲羅(腹甲)の色は淡黄色や明灰色をしており、腹甲の甲板のつなぎ目であるシームに暗色の斑紋が入る個体もいます。
頭部の大きさは大型で、上顎の先端は鉤状に下に下がっています。
頭部の地色は灰褐色になり、黄色やオレンジ色の細かい虫食い状の斑紋が多く入っていますが、顎の周辺に斑紋は入っておらず、黄色一色となります。
サルヴィンオオニオイガメの生態
低地にある底質が泥で、水棲植物が繁茂する流れの緩やかな河川や池、沼などに生息しています。
生息場所によっては多少形態の差があるようで、メキシコの個体群は体色がやや明るい傾向にあるそうです。
実はサルヴィンオオニオイガメは、野性での生態がよくわかっておらず、他のドロガメの仲間のようにあまり水中から出ず、水底を歩き回って餌を捕るような生活をしていると考えられています。
食性は動物食傾向の強い雑食性で、水棲昆虫や水中の無脊椎動物、魚類、両生類などを食べていると推測されます。
ですが、飼育下では果実などの植物質の餌も食べるということが報告されています。
繁殖形態は卵生で、1回に1~12個の卵を1年に1~3回に分けて産卵し、その卵は80~210日、最長で415日で孵化したという例があります。
孵化した幼体は、背甲にやや不明瞭な斑紋が入り、甲羅が扁平で、甲長が25㎜~31㎜程になります。
サルヴィンオオニオイガメの流通
サルヴィンオオニオイガメは、残念ながら開発による生息地の破壊、水質汚染、食用やペット用の乱獲などによって、生息数が減少しています(-_-;)
以前は野性個体(WC個体)のみがごく稀に流通しており価格も高価でしたが、近年は欧米や日本国内での飼育下繁殖個体(CB個体)も流通するようになり、流通量が増えたので価格も購入しやすいお値段になりました。
WC個体の流通もありますが、初心者の方はCB個体のほうが比較的人間になれているのでオススメです。
サルヴィンオオニオイガメの飼育と餌
頭が大きいので、とても可愛らしく見えますよね~。
ですが、顎の力がとても強いので注意が必要なんですよね(-_-;)
サルヴィンオオニオイガメの飼育環境
まずサルヴィンオオニオイガメに必要な道具はこちら。
- 水槽
- ヒーター
- 紫外線(UV)ライト
- フィルター
- 水温計
それぞれ説明していきますね~。
水槽
水槽選びですが、オオニオイガメは爪が鋭くて強いのでガラス製の水槽を選びましょう。
水槽の大きさは、最終的に幅が90㎝以上の水槽で飼育します。
できるなら120㎝は欲しいところです。
まだ体が小さいうちは体に合わせた大きさの小さめな水槽でOKです。
90㎝幅の水槽となれば、水量も増えますし、そうなると水槽の重さが凄いことになってしまうので、設置する台などは水槽専用のタイプがオススメです。
必ずではありませんが、その方が安心だと思います。
ヒーター類
ヒーターですが、サルヴィンオオニオイガメに適した水温は28℃。
ベビー時は低温に弱いので、注意しましょう。
ヒーターには種類があります。
飼い始めやベビーの頃は、水深を甲羅の体の半分くらいと浅めにし、少しづつ水深を深くしていきます。
それは深い水深になれていない個体だと溺れてしまう可能性もあります。
ベビー時はもちろんまだ、深い水深は経験したことないですし、ある程度大きくなったカメちゃんを飼い始めるときは、ショップの方にいままでどのくらいの水深で飼育されていたか確認しておきましょう。
浅い水深で飼育されていれば、ある程度成長した個体でも、いきなり深い水深で飼育すると溺れる可能性があります。
水深が浅いときには、水槽の外側(底や側面)などにつけるパネルヒータがオススメです。
水深が深くなると水中用のヒーターを使用します。
サルヴィンオオニオイガメは丈夫な種類なので、ある程度成長してしまえば神経質にならなくても大丈夫ではありますが、水温は25~28℃の範囲内にし、水質管理は徹底しましょう。
決して20℃以下にならないように!!!これは飼育者失格です(;^_^A
こちらは水中用のヒーターで、カメちゃんが火傷しないようにカバーが付いており、水温を自動で管理してくれる機能もついています。
ですが、顎の力が強いサルヴィンオオニオイガメなので、ヒーターのカバーや端子、温度センサーなどをかみ砕かれる恐れがありますので、水槽に仕切りなど設置して保護しましょう。
紫外線(UV)ライト
紫外線ライトはいらないという方もいらっしゃいますが、紫外線があまり強くないタイプを設置しましょう。
防滴タイプはありませんので、水滴が付かないように水面から距離を離して設置します。
フィルター
水棲のカメは、水質の悪化に非常に敏感です。
病気の原因になりますので水質管理は徹底しましょう!
水質を管理するにはフィルターが必須。
砂底は必要がないので(使っても良いです)その辺は楽かもしれません。
オオニオイガメはかなり水を汚しますので、フィルターは簡単なタイプよりも外部フィルターやオーバーフロー式のフィルターがオススメです。
水中ヒーター同様に、水中に入る部分を仕切りなどして保護しましょう!
フィルターを使っていても、当たり前ですが水は汚れます(-_-;)
週に1度は水量の半分は入れ替えしましょう。
フィルターの掃除も定期的に行うことも推奨します。
個体の大きさや水槽の大きさなどによって違いがありますが、なるべく綺麗に保ちたいなら月に1回は全ての水を交換し、水槽内も綺麗に洗いましょう!
その時にフィルターもお手入れすると良いですよ!
飼育水には水道水を使うと思いますが、必ずカルキ抜きしてください。
カルキ抜きアイテムを使用するのも便利です。
水温計
水温計も必須です。
ヒーターが自動で水温を管理してくれるタイプを使用していても、必ず設置しましょう。こちらも仕切りで守られたエリアに設置します。
季節によって水温の変化がどうなるのか、朝と昼と夜の違いなどもチェックすると良いです。
その他
その他に、水深について。
これはカメちゃんが立ち上がって首が出るくらい。
水槽の高さが45㎝ほどであれば、深すぎることはないので大丈夫です。
流木などでスロープを作ったりするのもカメちゃんには良いかもしれません。
特に陸場は必要がないですが、少し体を休める水底ではない場所を作って変化を出してあげることが出来ます。
その他の飼育に関しては、こちらを参考にしてください♬
サルヴィンオオニオイガメの餌
そして動物食傾向の強い雑食性ですが、飼育下では人工飼料メインで飼育が可能です。
WC個体だと人工飼料を食べてくれない場合もありますので、購入するショップの店員さんに何を食べさせていたか事前に確認しておくことをオススメします。
そして巻貝やザリガニ、エビなど副菜として与えたり、おやつ程度に与えたりしましょう!
水棲ガメ専用の人工フードは種類が豊富にありますが、大まかに2種類あり、浮上性と沈下性になります。
サルヴィンオオニオイガメは水底を歩くようにして捕食すると考えられています。
なので沈下性のタイプを選ぶようにしましょう。
その方が餌を食べやすくなります。
与える頻度ですが、幼体時には毎日食べるだけ与え、ある程度成長したら1日置きか週に3回ほどに回数を減らします。
餌の食べ残しを見つけたら、すぐに取り除き、次に与える餌の量を調整しましょう!
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