レオパは初心者でも飼いやすくて、繁殖にもチャレンジしたい方もいらっしゃるかと思います。
今回はレオパードゲッコーの繁殖について、準備から孵化まで順を追ってやるべきことをご紹介していきます♪
レオパの繁殖 準備編
レオパの繁殖前、繁殖、オスとメスの判別など繁殖の前に準備しておきたいことをここでご紹介していきます!
準備1、繁殖の前にやること
爬虫類の繁殖において、入門的なレオパ。
ですが、レオパに限らず、繁殖は飼育者が誰しも行うべきことではないということは頭に入れておきましょう。
なぜならば、現在、改正動物愛護法によって動物の販売には業登録が必要です。
せっかく繁殖できたのに、業者として登録がなければ不特定多数に販売することはできません。
繁殖で生まれた個体を生涯自分で飼育し続けるのであれば問題ありませんが、殖えているのに行き先がないと、生まれたレオパをどうすべきなのかという問題になります。
繁殖で生まれた子を自分で飼育するのでなければ、行きつけのペットショップなどに相談して、引き取ってもらうことが出来るかなどを確認してから繁殖に取り掛かりましょう!
ショップから購入したレオパのお腹の中に卵がある場合もありますので、その場合もショップに相談してみましょう!
準備2、繁殖の準備
繁殖入門にピッタリとは言え、成功するにあたってある程度基本的なことは抑えておかなくてはなりません。
まずは繁殖可能なオスとメスを揃えることから始まります。
繁殖可能な大きさというと判断しにくいですが、多くの海外のブリーダーが体重による目安を推奨しています。
それによると、オスで体重がおおよそ45g以上、メスで50g以上くらいから繁殖可能とされています。
標準的な全長と体重の比率だと、アダルトサイズと呼ばれる成体になった時の大きさで全長18㎝くらいからがそのくらいの体重に該当するので、それを目安にしても良いでしょう。
また、体重に加えある程度年齢も考慮したほうが良く、オスで最低生後1年くらい、メスではもう少し育ててからのほうが未熟卵の排出などのトラブルを避けやすくなりますし、メスのレオパの体のためにも守って欲しいところです。
いずれにせよ、あまり若いうちに交尾を経験させると、その後の成長が鈍くなるので、幼体から育てて繁殖させる場合は1年以上順調に餌を与え成熟させてから行うのがベストです!
でも私は思う。
人間だと何歳までというのがありますが、レオパはあるのか?ちょっと気になりましたが、わかりませんでした(;’∀’)
準備3、オスとメスの判別
最初からオスとメスがわかっていて飼育しているなら問題ないですが、もしかしたらオスとメスがわからない場合もあるかと思います。
ヒョウモントカゲモドキをはじめとするヤモリの仲間は、比較的外観からオスとメスの判別がしやすい種です。
全体的にオスはメスより大柄でがっしりとした体格で、頭部は幅があり大型です。
メスはオスに比べて丸みのある優しい顔つきで、やや小ぶりであることがほとんどです。
でも、結構曖昧ですよね(;’∀’)
人によって基準違うかもしれませんし(-_-;)でもご安心を!
最もわかりやすい判別ポイントがあります。
オスとメスの判別ポイント
最もわかりやすい判別ポイントは、総排泄孔付近で、基本的に雄雌の判別はこの部分を見ることによって行います。成熟したオスは総排泄孔の付け根付近に2か所の盛り上がりがあります。
人間で言うとタマ〇〇みたいなのかな~(笑)
この盛り上がりの部分を「クロアカルサック」と呼びます。
この中にオスのヘミペニスが収納されています。
メスにはこのクロアカルサックがありません。
ただし、個体によってはクロアカルサックがある位置がオスのように盛り上がっているメスも存在します。
その場合は、オスの膨らみのように明瞭に2か所盛り上がるのではなく、全体的に張り出したようになります。
もう一つの判別点は、総排泄孔の上部(頭寄り)に並ぶウロコの列の形状です。
オスにはこの部分に小さな穴の開いた鱗がV字に並び、くっきりと目立ちます。
これを「前肛孔」と呼びます。
メスはこの前肛孔が他のウロコと同じ大きさと形をしており、V字型に目立つことはありませんので区別がつきます。
クロアカルサックの有無と前肛孔の有無、この2つの特徴が組み合わさっていればほぼ確実に雄雌の判別が出来ます。
ただし、これは成熟した個体に限った話で、未成熟の幼体期から亜成体期にかけては前肛孔の発達は肉眼ではわかりにくく、クロアカルサックの膨らみ具合で何となく判別をつけるしかありません(;’∀’)
確実に雄雌を判別したい場合は成熟するまで待つ必要があります。
そしてちょっと興味深いのが、レオパをはじめとする爬虫類の一部は、孵卵時の温度によって性別が決定する「性決定温度」というものが存在するんです!
クロアカルサックや前肛孔についてはこちらの記事を参考にしてください。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
レオパの目などヒョウモントカゲモドキの体について詳しくご紹介!
性決定温度について
孵卵温度が29,5~30,5℃の場合はオスとメスはほぼ半々の確率で生まれますが、26℃ほどの低温ではメスに、32~33℃ほどの高い孵卵温度ではほぼオスが生れます。
面白いことに、孵卵温度が34℃を超えると再びメスが生まれてくる確率が高くなります。
こうした温度による性決定の特徴を利用して、決まった温度で孵卵することによって幼体時から高確率で雄雌半別を可能にするブリーダーもいます。
ただし、性決定温度はあくまで理論上のもので、実際に設定した温度を上下させることなく厳密に管理することは難しいため、これも目安の一つとして考えたほうが良いでしょう。
温度を一定に保てる孵化器を使用しても、扉の開閉などで温度が変化する時間が出来てしまいます(;’∀’)
いずれにせよ、オスメスが確実に判明するのは性差が表れる成体以降なので、早く繁殖を行いたい人は性別がわかっている生態を入手しましょう。
レオパの繁殖 繁殖の手順編
ここからは本格的に繁殖が始まります!
ただ雄雌を一緒のケージに入れるだけではダメなんですよ~♬
繁殖の手順1、クーリング
ヒョウモントカゲモドキは年に一度繁殖期があります。
自然下では冬季に温度が下がった後、繁殖のきっかけである交尾が始まります。
飼育下でも冬季を疑似体験させてやることで繁殖を誘発できます。
近年流通するレオパードゲッコーは累代飼育を重ねていくうちに家畜化しているため、野性下のように季節による温度変化を体験しなくても交尾を始めとする繁殖行動を行う個体もかなりいますが、冬季の疑似体験(低温処理、またはクーリングなどと呼びます)をさせることによって交尾の確率を高めることが出来ます。
クーリングを実行する前に一度オスとメスを一緒の飼育ケージに入れて様子を見ても良いかもしれませんね。
それでだめならクーリング!
まずはクーリングを行う前に、対象となる親個体がしっかりと太っていて、尾も十分に太く脂肪を蓄えていることを確認してください。
痩せ気味の個体はクーリングによる体力消耗の影響をを引きずってしまうことがあるので、その年は繁殖しないようにしてください。
成熟した健康なオスとメスがいる場合は、日頃与えている餌を切らすことから始めます。
餌を与えるのをやめて、一週間ほど経ったら糞の有無を確認しましょう。
糞をしているようであれば最後に与えた餌を消化しきったということなので、いよいよ温度を下げていきます。
日頃25~30℃くらいで飼育しているようであれば、クーリング時の温度は18℃くらいが良いでしょう。
いきなり温度を18℃に下げるのではなく、1~2週間くらいかけて徐々に下げていき、18℃になるようにします。
難しいように聞こえるかもしれませんが、徐々に温度を下げていくのはそう複雑なことではなく、まずは2~3日に間に飼育ケージにあてがっていたヒーターを切る。
その後、もう2~3日の間にケージを涼しい場所に移動させるなどして徐々に温度を下げていきます。
ヒーターが二つある場合は1つずつにしましょう!
さらに温度を下げる必要がある場合は、いつもの飼育部屋ではなく、廊下などに移動させるなどの工夫も必要です。
18℃という温度は厳格に守る必要はなく、多くの場合、20℃程度の軽い温度変化でも発情しますし、15℃くらいまでかなり寒くなってもきちんとクーリングは行われ、健康を害することもありません。
クーリングの最中は当然ながら餌を与えることは控えます。
寒くなって代謝が低下しているので餌に対する反応はにぶくなるはずです。
水入れの水だけは切らさないようにしてくださいね!
たいていの場合、クーリングして体温が低下するとレオパの体色は鈍くなり、くすんだような色合いになりますが、温度が上昇するにしたがって再び色味は戻るのでご安心ください♪
こうして底辺まで温度を下げたら、1か月くらいの間そのままにしておきます。
この間も餌は与えず、飲み水は切らさないように注意します。
1か月も餌を与えないなんて、すご~く心配になりますが、ヒョウモントカゲモドキの太い尾には脂肪を蓄える働きがあるので、クーリング中はこれを燃焼させてエネルギーとしていますので心配する必要はありません。
繁殖にはしっかり太った個体が必要なのはこのためなんですよ~。
1か月くらい低温期を保った後は、また2週間ほどかけてゆっくりと元の飼育温度に戻していきます。
元の飼育温度に戻ったら、ひとまずクーリングは完了です!
繁殖の手順2、交尾
次にいよいよ交尾をさせるため、オスとメスを同居させます。
オスをメスのケージに入れるか、メスをオスのケージに入れるかは人によって意見が分かれるので、そこはお好きなようにしてください!
はじめは見慣れない相手に戸惑ったりするかもしれませんが、やがて雄が尾を激しく震わせてメスにアプローチします。
かなり激しい音を立てることもあるので、驚くかもしれませんが、そのままケンカになることは滅多にないので引き離さずに様子を見てください。
メスにその気があればすぐに尾を持ち上げ、オスを受け入れる体勢を取ります。
オスはメスの首元を軽く噛み、体勢を保持して交尾が始まります。
雄雌とケージに入れてすぐに雄のアプローチが始まらない場合や、メスがオスに対してノーリアクションの場合もあります(;’∀’)
そうした場合もそのまま2~3日くらい一緒にしておくと、交尾は行われていることが多いです。
あまりにもメスがオスを嫌がるようであればその場は離し、一週間ほどしてから再び見合わせてみます。
それでもメスがオスを避けるようであれば、ペアの相性が良くないということになるので、無理に同居させないようにしましょう。
なお、交尾の際、オス1匹に対して複数のメスを同居させてもかまいません。
野性下ではレオパは1匹のオスに対して複数のメスというハーレムを形成するので、オス複数が同居していなければ問題なく交尾出来ます。
同居後数日経過したら、オスとメスは再び別々のケージに入れ、個別飼育したほうが良いでしょう。
メスが抱卵した後もオスの盛りは止まらないので、あまりずっと一緒にしておくと、メスの負担に(-_-;)
交尾の確率を高めたい場合は、オスメスを放した後にもう一度数日同居させ機会を2重に作るのも手ですよ♪
繁殖の手順3、抱卵から産卵
交尾を行ったメスは、卵を作る栄養を補うため、食欲が倍増します。
この時期に餌の量や質を十分に高めないと、良い卵を産まないばかりか、メスの栄養障害まで引き起こしかねないので、しっかりとカルシウムやビタミンを補った餌昆虫を存分に与えてください。
給餌間隔を狭めてみて、餌への反応が鈍らないようであればそのまま与え続けます。
交尾後10日ほど経つとメスの腹部にうっすらと卵が透けて見えてきます。
この状態を「抱卵」と言います。
ヒョウモントカゲモドキの場合、一度に産む卵はほぼ例外なく2個なので、2つの白い影がメスの腹部に透けて見えてきます。
ただし、個体によっては見えにくいので、卵の影が見えないからといって必ずしも抱卵していないとは限りません。
抱卵している時期は個体によって開きが大きく、短い個体では2週間ほどで産んでしまいますが、長い場合は2か月近く卵を持ったままの個体もいます。
産卵が間近になると、メスの腹部は臨月のようにパンパンになります。
いよいよ産卵!という時にはメスの食欲が急に止まるので、突然食欲が止まったら産卵が近いと思ってください。
メスはケージ内をせわしなく動き回り、壁際などをカサカサ掘るような行動を行うでしょう。
これは産卵に適した場所を探し、穴を掘りたがっているためです。
この行動をとる前、できればメスのお腹がかなり膨れてきた時点で産卵のための場所を用意する必要があります。
産卵スペースはメスの体がすっぽりと入る深めのタッパーなどに、バーミキュライトや黒土などを敷いたものを用意します。
タッパーは蓋つきのものを使い、蓋にメスが通れるくらいの穴を空けておくと、掻き出した産卵床が外にこぼれにくいため便利です♬
産卵床が気に入ればメスはそこに入り、床材に穴を掘って産卵します。なお、せっかく産卵床を用意しても、ケージの片隅などに産んでしまうメスもいます(;^ω^)
そうした場合も産み落としてからあまり時間が経たないうちに孵卵用の容器に移せば卵が干からびてしまうことはないので、あきらめず回収しましょう。
また、水入れの中に卵を産んでしまう場合もあるので、産卵間近だと感じたら水入れはケージから取り除き、壁面へ霧吹きして給水出来るようにすると良いでしょう。
水入れの中に産み落とされた卵は、呼吸が出来ずに死んでしまうことが多いのため用心しないといけません。
確実ではありませんが、産卵は満月の日やその前後に行われることが多いので、月齢表なども産卵日の目安の一つとして活用すると良いですよ♪
一度に産む卵(1クラッチという単位で数えます)は2つですが、1シーズンでメスは3~5クラッチ前後の産卵を行います。
おおよそ初回の産卵から1か月後くらいに、次のクラッチの産卵が始まることが多いです。
つまり、年間で計6~10個くらいの卵を産むということになります。
レオパの繁殖 孵卵から孵化
ここでは産み落とされた卵について何をすべきかをご紹介していきます!
まだまだ、油断はできません( ̄ー ̄)
孵卵
産卵床に卵が産み落とされたら、速やかに回収します。
卵はケージ内に残しておくとメスに転がされたりすることもあり孵化率が下がります(;^ω^)
まずは産み落とされた卵をそのままの位置で上になっている個所にマジックで印をつけると上下がわかるので便利です。
その後、卵をゆっくりと取り出します。
レオパの卵は鶏の卵などのように硬い卵殻に覆われているのではなく、弾力性のある皮のような質感の殻にくるまれています。
その為、多少力加減を間違っても割れてしまうことはないのですが、なるべく優しく扱いましょう!
産卵床から取り出した卵は、孵卵床に移します。
孵卵床はプリンカップなどのような容器に、バーミキュライトと水を混ぜたものを詰めて作ります。
バーミキュライトと水の割合は1:1くらいですが、ビシャビシャと水が滴るような感じではなく、バーミキュライトが水分を吸ってしっとりとするくらいを目安に!
一度水をかけたバーミキュライトを、手で固く絞って水滴が落ちないくらいと思ってください。
孵化材はバーミキュライトに限らず、ある程度水分を含むことが出来て材質変化しにくいものであれば何でもよいとのこと。
バーミキュライト使っていれば安心かな(笑)
赤玉土なども色味で保湿具合がわかるので便利ですし、最近ではパーライトでできた孵卵専用の素材なども市販されているので、そうしたものを利用しても良いでしょう。
こうしてできた孵卵床に、卵の上下を変えないように並べます。
孵卵床を指先で軽くくぼませて、卵が転がらないようにすると良いですよ~♬
孵卵床と卵を入れたカップには蓋をし、内部の湿度が80~90%になるようにします。
蓋をしたカップの内部がうっすら曇るくらいがベストで、蓋にいくつか通気口を開けるなどして湿度の保ち具合を調節すると良いです。
このカップごと温度変化の少ない場所において孵卵しますが、温度調節が出来る専用の孵化器(インキュベーター)も市販されています。
これはかなり精密に温度をコントロール出来るため、孵化効率を上げたり性決定温度をコントロールしたいブリーダー指向の飼育者に向いています。
孵化器を使用しなくても、温度が26~32℃ほどで変化があまりない場所に安置する方法でも孵化させることは出来ます。
温度変化が激しい場所や、直射日光が当たる場所、常時25℃以下または35℃以上になってしまう場所は避けましょう!
孵化
孵化までの日数はメスの抱卵期間同様かなり開きがあり、短いもので1か月強ほど、長いもので2か月ほどで孵化します。
高めの温度で孵卵している方が早く孵化する傾向にありますが、一概には言えません(;’∀’)
孵卵中に卵が大きく凹んでしまったり、色が変わったりしてしまった卵は、発生が途中で止まってしまった可能性が高いので、時期を見計らって破棄します( ;∀;)
卵の殻にカビが生えることもありますが、卵の生死とは無関係の場合もあるので、ティッシュなどで軽くふき取って取り除いてあげます。
順調に育つと卵は産卵後よりも大きくなり、孵化近くなると張りが出てふっくらとしてきます。
孵化直前になると卵の表面に水滴がついたようになり、薄い切れめが入ります。
これは内部から幼体が殻を破っているためです♬
幼体が自力で卵の外に出てくるまで手を触れてはいけません!!!
つい手を貸してやりたくなりますが、へその部分に繋がっている卵黄を体内に吸収しながら出てくるので、人間が無理に外に出してしまうとうまく吸収できなくなります(;’∀’)
完全に殻を破って外に出た幼体は、一晩孵卵容器の中で過ごさせます。
翌日になったら孵化容器から飼育容器に移しましょう!
孵化直後の幼体は成体よりも乾燥に弱いため、湿らせた水苔などを詰めたタッパーなどをケージ内に入れてやると良いです。
もしくは、こまめにケージ内に霧吹きしてあげるか、シェルターをウェットシェルターにしたあげると湿度が保ちやすいです♬
数日中に初めての脱皮を行うので、その後初給餌を行ってください。
孵化してしばらくは体内に卵黄が残っており、それを吸収しきるまで餌を捕らないこともあります。
すぐに餌を食べないからといってあまり焦らないように!
一度餌を食べ始めたら、温度を成体よりも高めにしてどんどん成長させましょう!
幼体期にしっかり給餌して温度を高く保っておくと、後の発色も豊かになりますよ~♬
レオパの繁殖 まとめ
いかがでしたか???
これだけだと不安な方はヤモリの繁殖の記事も読んでみると参考になりますよ~!
ヤモリの繁殖の記事はこちら
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
コメント