ホウシャガメは、とても甲羅の模様が美しく人気がありますが、ワシントン条約(サイテス)Ⅰ類に掲載されて、ほぼ事実上、入手が不可能なリクガメです。
そんなホウシャガメの特徴や生態、ホウシャガメの現状と歴史などをご紹介いたします。
※飼育方法については、「種の保存法」遵守のため、当ブログでは控えさせていただきますが、リクガメの飼育方法で飼育はある程度可能だそうです。(まだホウシャガメに最適な飼育法は確立されていないようです)
その他のリクガメの種類はこちら
ホウシャガメの特徴や生態
- 生息地:マダガスカル南部固有種
- 最大甲長:40cm
- 寿命:約50年
- 食性:ほぼ植物食性
- 値段:不明
ホウシャガメの別名はマダガスカルホシガメと言います!
ホウシャガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
ホウシャガメの最大甲長は40㎝で、メスよりもオスの方が大きくなり、野性個体ではオスが28.5~39.5㎝、メスが24.2~35.2㎝となります。
背中の甲羅(背甲)の形は、ドーム状に盛り上がっており、上から見たシルエットはやや細長くなっています。
甲板にある成長輪はハッキリとしていますが、老齢の個体では摩耗して不鮮明になることもあります。
人間なら年と共に「シミ」が出てきますが(笑)
孵化直後からある甲板(初生甲板)の境目が摩耗して、他の甲板と区別がつかなくなる個体が多くて、野性個体では平坦になっていますが、飼育下個体では盛り上がることもあります。
栄養の摂取量が違うせいかもしれませんね。
背甲のちょうど首の上あたりにある項甲板は他のカメと比べてやや大型になり、背甲のフチ部分の縁甲板は鋸状に尖り、少し反りあがっており、尾の真上あたりにある左右の臀甲板は癒合しています。
背甲の色は黒や暗褐色になり、初生甲板の色は黄色や橙色をしています。
初生甲板の周りには放射状に黄褐色のスジ模様が入りますが、老齢の個体ではこの放射状の模様が不鮮明になることもあります。
お腹側の甲羅(腹甲)ののどの下あたりにある喉甲板はやや前方へと突出しており、腹甲の色は黄色や黄褐色になり、お尻(尾)の下あたりにある肛甲板には放射状に暗褐色の斑紋が入ります。
この模様は喉甲板に入る個体もいます。
頭部の大きさは、他のカメと比べ中型になり、吻端は突出せず、上顎の先端は鉤状に若干尖っています。
頭部の色は黄色をしており、後頭部に暗色の斑紋が入ります。
四肢の前面は、小さなウロコで覆われており、不規則に大きな色子が混じります。
四肢や尾の色は黄色や黄褐色、橙色になり、四肢前面は暗色がかります。
オスとメスの違いは、メスはオスに比べると背甲が幅広くて甲高が高くなり、オスの成体の臀甲板は外側が下方向や内側へと向かい、腹甲の中央部がハッキリと凹み、左右の肛甲板の間の切れ込みが浅く弧を描いています。
一方メスの成体は、臀甲板の外縁が後ろ側へと突出し、腹甲の中央部は凹まず左右の肛甲板の切れ込みは深くなります。
さらに成体のオスは、尾が太く長くなり、メスの成体は尾が細く短くなりますよ~。
ホウシャガメの生態
ホウシャガメは、半砂漠にある岩場のポツポツとあるカナボウキ科やトウダイグサ科の植物からなる藪地や低地、標高400m付近の低木林などに生息しています。
ホウシャガメは昼行性のカメですが、気温が高いときや乾燥する時期になると明け方や夕暮れ時に活発に行動する、薄明薄暮性の傾向が強くなり、乾燥が続くと堆積物や倒木の下など、穴を掘ってそこで休んでいます。
食性はほぼ植物食性で、主に草を食べますが、木の葉や花、果実、一部多肉植物、キノコなども食べます。
なんと、牛糞を、集まっている昆虫ごと食べた例もあるのだとか( ゚Д゚)
繁殖形態は卵生で、交尾前のオス同士は甲羅をぶつけあい、激しく争うことが多いそうです。
交尾前にオスは頭部を上下させながら、メスの総排泄孔の臭いをかいだり、頚部を伸ばしながらメスを追いかけます。
これが人間なら、かなり変態ですが(笑)
さらに、メスに体当たりしてひっくり返そうとして交尾を迫り、メスがオスを受け入れるとオスはうなり声をあげながら交尾を行います。
野生下では1回の産卵につき1~5個の卵を年に3回まで産み、飼育下ではアメリカのジョージア州で主に9~翌4月の期間に、1回につき1~9個の卵を、年に5~6回、最高で7回に分けて3週間の間隔をあけて産んだという例があります。
メスは頑張り屋さんですね♬
生み落とされた卵は、145~231日で孵化します。
ホウシャガメの現状と歴史
リクガメファンからは高嶺の花といったホウシャガメですが、美しくてあまり大きくならず、飼育しやすいといったところが人気なのでしょうね~。
ホウシャガメは分部域で、元々食用とされることは一般的ではなかったようですが、他の地域や移入者、外国人などは食用とすることあるそうです。
そして、残念なことに移入者による保護区内も含む違法な焼畑農業や農地開発によって生息地が破壊されたり、人為的に移入されたカワイノシシや犬による幼体の捕食、食用やペット用の乱獲などによって、生息数は激減しています(-_-;)
2007年まではIUCNでも絶滅の危険性は高くないと考えられていましたが、2008年に行われた調査によって、実際には絶滅の木先生が非常に高いと判断されました。
現在、ワシントン条約(サイテス)Ⅰ類に掲載されており、商業目的の国際取引は禁止されています。
マダガスカルでは法的に保護の対象とされており、採集、飼育、販売、譲渡などが禁止されている一方で、密猟、密輸する輩も後を絶たず、マダガスカルや日本などで摘発された例もあります(# ゚Д゚)
生息地では、飼育下繁殖させる子悪露実が進められています。
日本にもペット用として輸入されていましたが、日本国内では種の保存法により、ワシントン条約(サイテス)掲載に確定される前に輸入された個体が登録書付きで流通することもあるそうですが、現在はないでしょう…………….。
そして不正登録が摘発された例もあるのだとか!!!
日本国内では、2009年に野毛山動物園が初めてホウシャガメの飼育下繁殖に成功しました~。
ホウシャガメのまとめ
いかがでしたか?
これから入手するには、不可能ですし、是非、ホウシャガメの魅力を動物園などで満喫していただきたいです♬
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