ビルマホシガメはインドホシガメよりも丈夫で比較的飼いやすいホシガメです。
ホシガメはリクガメの中で最も甲羅が美しいといわれるカメなので、飼育してみたい方は多いのでは?
ですが、一時期絶滅したと言われただけあって、お値段はとても高価なんです(;^_^A
そんなビルマホシガメの特徴や生態、適した飼育環境をご紹介していきます!
その他のリクガメの種類はこちら
ビルマホシガメの特徴や生態
- 生息地:ミャンマー中部、西部固有種。南部にも分布していましたが絶滅したと考えられています。
- 最大甲長:26㎝(さらに大型化する可能性あり)
- 寿命:飼育下で30~50年
- 食性:植物食性と考えられる
- 値段:80万円ほど
ビルマホシガメは甲羅の模様がとても美しホシガメの仲間です。
リクガメ科リクガメ属に属しています♪
ビルマホシガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
ビルマホシガメの最大甲長は26㎝とされていますが、さらに大きくなるそうです。
オスよりもメスのほうが大型になります。
背中の甲羅(背甲)の形はドーム状に盛り上がっており、上から見たシルエットはやや細長い形をしています。
背甲の頂部は平坦で、野性下では孵化直後からある甲板(初生甲板)は盛り上がりませんが、飼育下では盛り上がる個体も存在します。
背甲の色は黒や黒褐色をしており、人間で言うと背骨あたりにある椎甲板と、その両脇にある肋甲板ごとに放射状に灰褐色や黄褐色の斑紋が入っています。
もうお分かりですね!
この放射状の模様が星のように見えることから「ホシ」とつく由来となっています。
椎甲板や肋甲板に入る放射状の斑紋ですが、その数は6本以下、一部では7本入る個体もいます。
背甲のフチにある縁甲板にはアルファベットの「V」字状に灰褐色や黄褐色のスジ模様が入っています。
頭の大きさは中型で、上顎の先端は三又に分かれますが、一尖の個体や尖らない個体もいます。
手足はややがっしりとしており、前足には先端が尖った大きなウロコが5~7列で並び、後ろ足と尾の間には円錐形の小型のウロコが並びます。
頭部や四肢、尾の色は黄色や黄褐色をしており、不規則に細かい黒色の班が入っています。
顎を覆う角質(嘴)や鼓膜、喉の色は褐色や灰褐色をしています。
成体は目の周りや頬、頚部背面が黒ずむ傾向があります。
幼体は縁甲板の外縁部がややノコギリ状に尖りますが、成長するに従い不明瞭になっていき、背甲に入る放射状の斑紋の数が成長に伴い増えていきます。
ビルマホシガメの生態
ビルマホシガメは野生での生息数が少ないせいか、生態や飼育についての情報がとてもすくないです(-_-;)
ビルマホシガメは主に、熱帯モンスーン気候の地域にある森林やその周辺で生活をしています。
食性は植物食性と考えられており、キノコなどを食べます。
飼育下では野菜、果実、リクガメ用の人工フードにも餌付きます。
繁殖形態は卵生で、2月に少数の卵を産んだ例があります。
6~7月に孵化したベビーが地表に現れるそうです。
飼育下では10~12月に1回に5~8個の卵を産んだという例があり、年に2回産卵する個体もいます。
ビルマホシガメの現状
ビルマホシガメは、ミャンマーの中部、西部の固有種で、実は南部にも分布していましたが、悲しいことに絶滅したと考えられています(-_-;)
そして多くの亀同様、都市や農地開発、焼き畑、放牧による生息地の破壊や食用、ペット用の乱獲などにより生息数が激減しています。
なかには、食用とした後の残骸の甲羅が街中で器として用いられることもあったそうです。
1948年にミャンマー独立後、1990年代まで軍事政権により欧米による生物調査が制限されたそうです。
ビルマホシガメは現在、ミャンマーでは法的に保護の対象とされ、採集や輸出が禁止されています。
一方では1995~1996年ころから日本にも輸入されたそうで、生息地で養殖された個体が流通することもあったそうです。
そして腹立たしいことに、密輸されることもあり、日本やミャンマーで摘発された例もあるのだとか。
2004年以降は、本種が分布していない、カザフスタン、キルギス、タイ、ヨルダン、レバノンなどで飼育下繁殖されたとする個体も日本に輸入されています。
ミャンマーでは保護施設で飼育下繁殖したり、摘発された個体を野生に返す試みも進められていますが、国立公園での密猟や保護施設に集めた個体、もしくは飼育下繁殖させた個体が盗難にあったりすることもあるのだとか(# ゚Д゚)
2013年にワシントン条約(サイテス)Ⅰ類に掲載されています。
サイテスとはこちらをご覧ください。
ビルマホシガメに適した飼育環境と餌
ビルマホシガメとインドホシガメは種類が違いますが、飼育方法は基本的に同じです♬
ビルマホシガメに適した飼育環境
ビルマホシガメに適した飼育環境で気を付けるのは、以下の通りになります。
- 適温:昼間のクールスポットは28~32℃、バスキングスポットは40℃、夜間は20℃以上(20度を下回らないよう)に保つ
- 湿度:70%前後を保つ(他のリクガメより若干高め)
- ライトなど:明るすぎるのが苦手なのなので明るすぎないようにし、隠れる場所を作る
これを踏まえて、飼育に必要な道具とともに説明していきます♪
まずは飼育ケージ。
インドホシガメよりも少し大きくなりますから、大変です。
市販だと120㎝幅の飼育ケージか自作するか、特注するか。
それか最終的に室内で放し飼いになります。
ベビーちゃんは60~90㎝幅のケージや水槽プラスチックの衣装ケースでもOKですが、飼育初心者は爬虫類専用の飼育ケージをオススメしたいです。
高めに湿度を設定するので、爬虫類専用の飼育ケージだと上部(蓋)もついていて、蒸れるのはダメなので、そちらも上部がメッシュになっていて通気性も確保できますから、市販の飼育ケージはオススメなんですね~。
次にライト類ですが、バスキングスポット(日光浴する場所)に当てるバスキングライトと、あまり明るすぎない紫外線ライトが必要になります。
紫外線ライトは普通のタイプか森林に生息する生物用のものを使用しますが、UVAとUVBの両方を照射するタイプを選びます。
こちらは生体には見えにくい赤い光が出ます。
バスキングスポットを40℃にするには、バスキングスポットとライトの距離を調整します。
カメちゃんの甲高も考慮に入れましょう。
こちらのライトは、15㎝ほど話すと41℃くらいなので、甲高も考えベストな位置を見つけましょう。
クリップスタンドも紹介しましたが、距離をもっとおきたいときはライトスタンドで、ケージの外から照射するのも手です。
ライトの商品サイトで使用例がありますので、確認してみて!
紫外線ライトはこちら。
必ずこちらもクリップスタンドかスタンドライトが必要ですよ~。
バスキングスポットには岩のプレートなどを置いてあげるとお腹側からも体を温めることが出来ます。
これらのライトは、日中に点灯します。
これらのライトだけでは、温度が足りない場合や夜間の温度が足りない場合、保温器具を使います。
保温器具には保温ライトとパネルヒーターがあります。
飼育ケージの上部がメッシュの場合はこちらのパネルヒーターがオススメです。
天井に設置するタイプで、出っ張りがないのでスッキリです。
大きさが色々ありますので、使用するケージの大きさに合わせたり、色々試すことも必要です。
初めはケージの大きさを目安にするといいでしょう。
そして、日陰を作ってあげるのも大切。
人工プランツなどでブッシュを作ってあげるか、シェルターを設置してあげます。
色々タイプがあるので、組み合わせたりするといいですよ♪
ケージ内には床材も必要で、湿度を保てるものを選びます。
ヤシガラなどがオススメです。
温度や湿度を測る温湿度計も必須。
温度を自動で管理してくれるサーモスタットもあると便利です。
外出している間も安心です。
水入れは全身が浸かれるくらいの大きさの水容器を設置します。
水浴びしないようなら、小さい飲み水用の容器に変えてもOK。
浅めでひっくり返らないように、ある程度重さのあるものを選びます。
その他はインドホシガメと同じなので、是非参考にしてください。
ビルマホシガメの餌
ビルマホシガメは草食性で、野性下ではキノコを食べたりしますが、飼育下では野菜をメインにするか、リクガメフードと半々に与えるといいですよ~。
個体によっては雑食傾向もあるみたいで、その場合はコオロギなど与えても良いですが、動物質のものは膀胱結石が出来やすいので、与え過ぎには注意が必要なので、野菜や人工フードを与える方がベストではあります。
野菜のみで飼育する場合は、栄養価が足りなくなるので、必ずカルシウム剤をまぶして与えます。
爬虫類専用のカルシウム剤があります。
与える餌の頻度ですが、幼体時は1日1回なら食べるだけ与え、2回に分けるなら腹八分目、成体には1日1回腹八分目で毎日与え、週に2~3日は与えない日を決めると良いです。
結構もりもり食べるので、肥満には注意が必要なんです(;’∀’)
餌についても、飼育しているカメちゃんをよく観察し、適量などアレンジしましょう!
その他はリクガメの基本的な飼育の記事に書いてありますので、是非ご覧ください。
基本的なカメの餌の選び方はこちらを。
ビルマホシガメのまとめ
ほとんどインドホシガメと同じ環境でもOKなビルマホシガメです~。
あまり温度や湿度に気を付けなくても大丈夫と言われていますが、個体差もあったり、飼育者の生活環境(地域など)によっても差が出ますので、色々と工夫するのことが大切になりますよ♪
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