ミスジハコガメは甲羅(背甲)にある3本の黒いスジが特徴的なカメです。
比較的ですが、分布する地域が広いので、身体的な特徴もバラエティーに富んでいます。
ミスジハコガメの特徴的な甲羅の3本スジも不明瞭な個体もいます。
ここではそんなミスジハコガメの特徴や生態、飼育についてご紹介していきます。
その他のハコガメについてはこちらをご覧ください。
ミスジハコガメの特徴と生態
- 生息地:中国(海南省、広東省、湖南省、福建省、広西チワン族自治区、香港)、カンボジア、ベトナム北部、ラオス(ミャンマー北部に分布する可能性あり)
最大甲長:21㎝
食性:動物食傾向の強い雑食性
寿命:不明(イシガメの平均寿命は20~30年)
値段:20万前後~
この画像を見ると背中の甲羅(背甲)にある黒い3本の筋がハッキリとわかりますね~。画像が荒くてすいません(;’∀’)
それではミスジハコガメの特徴や生態、そしてミスジハコガメの現状をご紹介いたします。
ミスジハコガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
ミスジハコガメの最大甲長は21cmですが、さらに大型化する可能性もあるのだとか。
オスよりもメスのほうが大きくなります。
背甲はやや扁平ですが、若干甲高な個体もいます。
甲羅の形は上から見ると卵型をしており、椎甲板と肋甲板にはやや筋状の盛り上がり(キール)が3本あり、そのキールに沿って黒色のラインが走っていますが、これまた不明瞭でわかりにくい個体も存在します。
後部にある縁甲板の外側は尖っている種類もいますが、ミスジハコガメは尖りません。
左右の肛甲板の間は浅く切れ込みが入っています。
腹甲の色は黒や暗褐色、喉甲板と肩甲板を除いた甲板の外縁部は黄色や淡い黄色をしています。
頭部の大きさはやや小型で、吻端は少し出っ張っており、上顎の先端は鉤状には尖っていません。
頭部の背面(人間で言うと後頭部かな)色は黄色や暗めな黄色やオリーブ色をしており、眼の後ろには黒く縁取られた楕円形の明色~褐色斑が入り、上顎から首にかけて明るい黄色のストライプが入るのが特徴的です。
四肢や尾の色は赤褐色やオレンジ色をしています。
幼体時は第2、第3肋甲板に細い楔型の斑紋が入りますが、成長するに従い斑紋が繋がっていき縦縞の模様になります。
オスとメスで違う特徴は、オスは腹甲の真ん中あたりがやや凹むことがあり、左右に股甲板の間の切れ込みが幅広く、メスは腹甲の真ん中あたりが平坦かやや出っ張っています。
ミスジハコガメは冒頭でも述べましたが、比較的分布する地域が広いので、見た目の特徴には地域によって変異が多くて、一概にミスジハコガメはこんな特徴!と断言できないというか、特徴に対しての境界線が曖昧だったりします(;’∀’)
ミスジハコガメの生態
底質が泥で水生植物が茂っている池沼や湿原、水田およびその周辺の森林や草原、標高50~400mにある清流やその周辺などに生息しています。
ミスジハコガメは半水棲で、陸でも水中でも活動しますが、幼体時は水棲傾向が強いです。
食性は野生下では動物食性が強い雑食性で、昆虫や甲殻類、巻貝、魚類、両生類の幼生、ミミズ、水生植物、果実などを食します。
幼体のネズミなども食べた例があります。
ミスジハコガメは水中でも陸上でも採食します。
繁殖形態は卵生で、飼育下では春頃から秋頃にかけて交尾を行いますが、夏季には交尾を行うことが少ないそうです。
飼育下では5~7月に1回につき1~12個の卵を年に1回だけ産んだという例があり、卵は無加温の環境下で80~90日、31℃で67~68日で孵化した例があります。
さらに飼育下ではオスが生後3~5年、メスは5~7年で性成熟した例があります。
ミスジハコガメの現状
ミスジハコガメは中国では食用や薬用とされ、眼の特効薬と信じられているのだとか( ゚Д゚)
さらに中国では残念なことですが、開発による生息地の破壊や水質汚染、食用や薬用の乱獲などによって生息数が激減しています。
ですが、現在は中五億でも養殖が進んでいるみたいで、さらに欧米では繁殖化が進んでいるようです。
もちろんペット用としても日本に輸入されていましたが、現在は飼育下での繁殖個体の幼体が少量流通する程度です。
サイテスⅡ類に掲載されています。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
ミスジハコガメの飼育
ここからはミスジハコガメに適した飼育環境と餌についてご紹介していきます!
ミスジハコガメに適した飼育環境
ミスジハコガメの飼育ですが、発情したオスは他の個体に噛みついたり、交尾を迫ったりするので単独での飼育をしてください。
ミスジハコガメは比較的飼育がしやすい丈夫な種類と言われますが、どの半水棲、水棲のカメにも言えますが、水質の悪化には要注意が必要です。
それではまずは半水棲なので飼育する入れ物は水槽がおすすめです。
衣装ケースなどでもOKですが初心者はやはり水槽にしたほうがベストかなと思います。
水槽の大きさは90㎝くらいの横幅のものを選びます。
幅が90㎝の水槽でも、奥行きや高さも考慮に入れます。
こちらは奥行があると動き回りやすいですし、半水棲なので飼育水を入れますからある程度の高さも必要なのでこちらを選んでみました。
そして設置する場所とかにも悩みますが、こちらの水槽だと専用の設置棚もあります。
参考までに。
水槽の下に敷くマットまであります。
専用の棚は必ず必要ではないと思いますが、マットは良いですね♪
90㎝と言う水槽の大きさですが、成長に合わせて水槽の大きさを変えるのもいいでしょう。
幼体時には簡易なカメの飼育セットもありますので、初めのうちは簡易なもので、それが狭くなってきたら最終的に90㎝幅の水槽に切り替えたほうが、水の交換なども楽です。
水槽内のレイアウトですが、半水棲ですが陸場は水槽の3分の1ほどの面積にします。
レンガやカメ専用の浮島などで陸地を作ってあげ、陸地は日光浴する場所=バスキングスポット(ホットスポット)になりますので、そこにはバスキングライトを照射します。
水深は甲長程度でOKです。
水温は25℃ほどを保つようにし、水中用のヒーターなどで水温管理します。
季節やお住まいの地域によっては必要ないかもしれません。
それ以外には紫外線ライトも必要です。
水の底には特に底砂は必要ありませんが、雰囲気や生息地に近づけたい場合は、砂底を入れるのもいいでしょう。
砂底には水質環境をよくしてくれるアイテムなどもあります。
その他の詳しい飼育については、こちらの記事の半水棲ガメの基本的な飼育方法を参考にしてください。
ミスジハコガメの餌
ミスジハコガメは飼育下では人工フードにも餌付いてくれます(個体差あり)。
ですが注意すべき点があります。
動物質の餌のみを与えた個体は偏食してしまい。植物質や人工フードを食べなくなることがあります。
そうすると甲羅や体型が崩れたり、最悪の場合は命を落とすこともあります。
ミスジハコガメは動物食性の強い雑食性なので、動物質を多めにして野菜や果物なども与えます。
ですが、人工飼料に餌付くようなら、おやつ程度に植物質のものをたまに与える程度で良いです。
人工飼料は栄養バランスを考えて作られていますので、大事なカメちゃんの好みの人工飼料を2種類ほど確保しておきましょう!
同じのばかりだと飽きちゃいます(;’∀’)
もし、人工飼料が難しいようなら、コオロギなどをメインに、野菜や果実などをバランスよく与え、カルシウム剤も添加します。
徐々に餌に人工フードを混ぜて、食べるようであれば人工フードの量を増やしていくと良いでしょう。
餌についてはこちらを参考にしてください。
ミスジハコガメのまとめ
いかがでしたか~?
ミスジハコガメは比較的丈夫で飼いやすいと言われますが、お値段が((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
もし飼育する機会がありましたら、終生可愛がってあげてください!
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