ヒョウモンガメは、リクガメの中でも人気があるカメです。
かなり大きくなるので、放し飼いを考慮に入れれば、初心者の方でも比較的飼育がしやすい種類とも言われています。
そんなヒョウモンガメの特徴や生態、飼育についてご紹介していきます!
その他のリクガメの種類はこちら
ヒョウモンガメの特徴や生態
- 生息地:アンゴラ南西部、ウガンダ、エチオピア南部、ケニア、ザンビア東部、ジブチ、ジンバブエ、スーダン南部、スワジランド、ソマリア、タンザニア、ナミビア、ボツワナ、マウライ、南アフリカ共和国、モザンビーク南部、レソト
- 最大甲長:70,5cm
- 寿命:飼育下で30~75年
- 食性:植物食性
- 値段:5,000~数万円と幅があり
ヒョウモンガメは、リクガメ科ヒョウモンガメ属(ヤブガメ属とする説もあり)のリクガメです♬
ヒョウモンガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
ヒョウモンガメの最大甲長は70.5㎝とかなり大きいです。
メスとオスとでは甲長は変わらず、背中の甲羅(背甲)の形はドーム状に盛り上がっており、甲板は孵化直後からある甲板(初生甲板)の周辺に成長輪がハッキリあり、初生甲板を中心に盛り上がっている傾向がありますが、老齢個体では成長輪は摩耗して不明瞭になっている個体もいます。
背甲の丁度首の上あたりにある項甲板は存在せず、縁甲板は尖らず前端と後端がやや張り出してわずかに反り返っています。
背甲の尾の上あたりにある左右の臀甲板は癒合しており、背甲や腹甲の色は黄色や黄褐色、褐色になり、背甲には初生甲板を除いて黒や暗褐色の細かい斑紋が入ります。
この、細かい斑紋がヒョウ柄のようなので和名や英名が付けられました。
この模様は、草原などでは保護色となると考えられています。
背甲と腹甲のつなぎ目(橋)は幅が広く、腹甲はやや大型になります。
腹甲には不規則な暗色斑が入る個体もいます。
頭の大きさはやや小さめで、吻端は突出しておらず、上顎の先端は鉤状に尖り三又になっていますが、突起が1つの個体や尖らない個体もいます。
前足の前部にはやや尖った大き目なウロコが3~4列に重ならず綺麗に並び、後ろ足と尾の間には2~3個の先端が丸い大き目なウロコが並びます。
頭部や頸部、四肢、尾の色は黄褐色や淡黄色をしています。
メスはオスに比べ背甲の幅が広くて甲高が高くなり、オスの成体は腹甲の中央部がわずかですが凹んでおり、尾が太く長いので甲羅にひっこめても先端がかなり出てしまうほどです。
メスの成体は腹甲の中央部は凹まず、尾が細く短いです。
孵化直後の幼体は、背甲の暗色斑が規則的ですが、成長するに従い細かく複雑になり、全体的に暗色化します。
幼体は腹甲の甲板のつなぎ目(シーム)やその周りの色が暗色の個体が多いのも特徴です。
ヒョウモンガメの生態
ヒョウモンガメは、主にアフリカ各地の草原やサバンナに生息し、山地の斜面や森林、極端に乾燥した環境は好みません。
行動範囲は広く、広範囲に移動することで有名で、20~30㎞の移動を行うこともあります。
乾季になると不活発になり、温帯域に分布している南部個体は冬季になると茂みや岩、倒木の下、シロアリの古いアリ塚、他の動物の巣穴などで休眠しますが、気温が上がると日光浴をした後に行動することもあります。
食性は植物食性で、草や木の葉、花、果実、多肉植物、キノコなどを食べますが、大型の哺乳類の骨を齧っていたという例もあります。
多分カルシウムを補うためかと思われます。
ヒョウモンガメの天敵は、ミナミジサイチョウという、地上棲の肉食のサイチョウ類の、草原の掃除屋という異名を持っている鳥です。
繁殖形態は卵生で、繁殖期になると他個体に体当たりしてひっくり返して争いますが、特にオス同士で行い、時にオスがメスに交尾を迫る際やメスがオスを拒絶して争うこともあるのだとか(-_-;)
オスはメスを追跡して体当たりし、メスが動かなくなると鳴き声を上げながら交尾をします。
人間ならアウトです(笑)
産卵は、夏季や雨季に10~30㎝ほどの穴を掘り、1回に5~30個の卵を年に5~7回に分けて産みます。
メスはかなり頑張りますね。
産卵の間隔は3週間から1か月で、卵は178~485日で孵化します。
ヒョウモンガメの現状や歴史
残念なことに、放牧や農地開発による生息地の破壊、野焼きや間伐による乾燥化、土壌塩類の蓄積、食用やペット用の乱獲などにより生息数は減少しています(-_-;)
ペットとして日本にも輸入されることもあります。
2000年代はアフリカから飼育下繁殖個体や卵を採集し飼育下で孵化させた養殖個体の流通が増加し、2006年以降はアフリカのウガンダ、ザンビア、タンザニア、南アフリカ共和国、モザンビークやエルサルバドルから主に飼育下繁殖個体や養殖個体が輸入されています。
飼育下でも甲長が40㎝以上になる大型の亀なので、かなり大きなケージや温度を維持する保温器具が用意できないと、一般の家庭では飼育が難しいといわれていますが、一方で意外と飼育が容易との意見もあります。
ヒョウモンガメの飼育環境や餌
かなり大きくなるので、最終的に放し飼いになります~♬
ベビーよりも少し大き目な方がお値段はしますが、飼育が簡単なので初心者の方はある程度大きくなった個体を選びことをお勧めします。
ヒョウモンガメに適した飼育環境
まだ小さいベビーや幼体時は、市販の爬虫類専用のケージで飼育可能ですが、ある程度大きくなったら、室内に犬用のケージを設置してお部屋を作ってあげ、時に室内に放し飼い(室内散歩など)する必要があります。
小さいうちは飼育ケージや水槽で飼育しますが、初めから大きなケージで飼育すると、人間に馴れにくくなってしまう可能性があるので、なるべく成長に合わせた大きさの飼育ケージを使用したほうが、最終的に放し飼いをする上では大事になります。
水槽でも飼育できますが、床材を交換したりフンを取り除いたりするには前扉の爬虫類専用のケージのほうが使いやすいので、初心者の方には爬虫類専用のケージがオススメです。
床材は湿度を保てて扱いやすいヤシガラがオススメです。
ヒョウモンガメに適した湿度は40~50%になりますが、ケージ内が蒸れないように通気性を確保しましょう。
ケージ内の温度ですが、バスキングスポット(ホットスポット)と呼ばれる日光浴をする場所の温度が35~40℃、それ以外の場所(クールスポット)は25℃~30℃に保つようにします。
室内での放し飼いの時は、クールスポットがお部屋の温度になりますので、エアコンなどで管理します。
バスキングスポットにはバスキングライトが必要で、さらに紫外線ライトも必要です。
この2つのライトは夜間は消灯します。
このライトだけでは温度が保てないこともありますので、保温器具も必要です。
保温器具はライト系とパネルヒーター系があります。
オススメの紫外線ライトはこちら
バスキングライトはこちら
保温器具のオススメはこちら
こちらの保温器具は、ケージの上部がメッシュになっている部分に設置します。
水槽なら保温球か、水槽の側面に貼り付けるパネルヒーターになります。
保温器具もバスキングライトも紫外線ライトも必ず予備を準備しておきましょう!
ヒョウモンガメは水浴びをしますので、飲み水と兼用で、体を浸けることのできる大きさの水容器が必要です。
水深は深くても体の半分くらい、ちゃんと呼吸できる水深にしましょう。
水の中で排泄することもあるので、汚れたらすぐに交換します。
毎日新鮮なカルキ抜きの水に交換してくださいね♪
温浴させるのもいいですよ♪
餌入れも必要で、床材にじかに餌を置くと、床材を誤飲する可能性があるので、必ずエサ入れに入れて餌を与えます。
その他にも、温湿度計、サーモスタット、シェルターが必要です。
これらは温浴の方法なども含め、こちらの記事で紹介していますので、是非参考にしてください。
ヒョウモンガメの餌
ヒョウモンガメは植物食性なので、小松菜などの葉野菜をメインに、ニンジン、カボチャなどの根菜類を細かく切って混ぜて与えます。
果物は糖分が多く、与え過ぎは肥満になってしまうのでたま~に、おやつ程度にあたえるか、食欲がないときに、食欲を促すためにあたえましょう。
リクガメフードもOKです。
野菜とリクガメフードをメインにしてもいいですよ~。
夏場は野草やタンポポなども与えている飼育者さんがいらっしゃいますが、採集場所には気を付けなければいけません(;’∀’)
そして、ヒョウモンガメは大きくなりますので、甲羅の成長を助けるために、たくさんのカルシウムも必要です。
リクガメフードをメインに与えるのなら必要はありませんが、野菜のみの場合は、必ず爬虫類専用のカルシウム剤も必要です。
野菜にまぶして与えてください。
野菜は、シュウ酸を多く含むホウレンソウや、ヨウ素欠乏症の原因となる物質が含まれているキャベツを主食とするのはNGです。
野菜は新鮮なものを与え、いつも同じメニュ―にならないように、何種類かの餌をローテーションを組んで与えると、飽きが来なくてカメちゃんにも良いですよ♪
餌についてはこちらも参考にして下さい。
ヒョウモンガメのまとめ
いかがでしたか?
ヒョウモンガメは大きくなりますので、飼育は大変かと思いますが、ポイントさえつかめば、室内で放し飼いして存在感を満喫できると思います♪
飼育する機会がありましたら、是非、終生可愛がってあげてくださいませ!
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