ミシシッピアカミミガメは現在日本ではかなり身近な存在です。
鮮やかな顔の模様もとても綺麗で魅力的ですが、緊急対策外来種に指定されています。
ですが、今のところ飼育は禁止されていません。
特定外来生物として規制される可能性もあるので、その場合は飼育できなくなります。
ここではミシシッピアカミミガメの寿命などの特徴や生態と飼育についてご紹介していきます!
ミシシッピアカミミガメの寿命は?特徴や生態
- 別名:ミドリガメ
- 生息地:アメリカ合衆国
- 最大甲長:28㎝
- 寿命:約30年
- 値段:500~1,000円
顔の赤や黄色の模様がとても綺麗なカメです。
ミシシッピアカミミガメの寿命は平均で10~15年と言われ、上手に飼育できれば30年は生きると言われていますよ~♬
ミシシッピアカミミガメの特徴
ミシシッピアカミミガメはアカミミガメ属に分類され、他にはキバラガメ、カンバーランドキミミガメがいます。
最大甲長は28㎝でオスよりもメスのほうが大きくなります。
甲羅はやや扁平~ドーム状に盛り上がっており、上から見ると幅広い卵型をしています。
甲羅の縁の部分(縁甲板)の後部の外縁はややノコギリ状に尖っています。
頭部は中程度の大きさで、吻端(口あるいはその周辺が前方へと突出している部分)はやや突出し、上顎の先端はやや凹んでいます。
背甲の色は淡緑色から濃緑色で黄色く細かい複雑な筋模様が入ります。
腹甲の色は黄色をしており、甲板ごとに大型の暗色の斑が入り中には斑が繋がっている個体もいます。
頭部や四肢、尾は緑色・濃緑色・灰緑色で、頑丈な四肢、頭部や頸部、四肢、尾には黄色くて非常に細い縦縞入っています。
吻端から頭頂部にかけての縦縞模様は他の縦縞よりも太くて、赤みを帯びた個体も存在します。
眼の後ろあたりから鼓膜上部にかけて、赤や赤に近い橙色のやや太い筋模様が入っています。
この耳のあたりの赤い模様があることから「アカミミ」と名付けられたようです。
オスの成体は吻端がメスより突出し、前足の爪が長く湾曲します。
さらに背甲や皮膚の色が黒や暗褐色になり、斑紋が消失する(黒化、メラニズム)個体もいます。
メスの成体は後ろ足の爪が長く伸長します。
ミシシッピアカミミガメには品種改良された種類も存在します。
アザンティックと呼ばれる種類では、黄色色素欠乏があり背甲の外縁や腹甲の色、鼓膜上部のスジ模様や縦縞が白いのが特徴。
アルビノ(チロシナーゼネガティブアルビノ)では黒色色素欠乏で、全身が黄色く瞳孔や鼓膜上部のスジ模様は赤いのが特徴です。
ミシシッピアカミミガメの生態
アカミミガメ全般ですが、流れの緩やかな河川や湖、池沼などに生息し、底質が軟らかく水生植物が茂っている水深のある流水域や止水域を好み生息しています。
日光浴が好きで、冬には冬眠しますが、北部個体群は3~5か月、南部個体群は2~3か月で、南部個体群は冬でも気温の高い日には活動する個体もいます。
食性は植物食性の傾向が強い雑食性で、植物の葉や花、果実、水草、藻類、魚類、カエルやその幼体、水棲のヘビ、鳥類、昆虫、クモ、甲殻類、巻貝、二枚貝、カイメン、ミミズ。、動物の死骸などかなり幅広い種類の餌を食べます。
幼体時は動物食の傾向が強いですが、成長するに従って植物食傾向が強くなります。
繁殖形態は卵生で、主に春季や秋季に周年求愛や交尾を行います。
冬眠時は除きますが、冬眠しない個体群では冬季でも気温の高い日なら交尾を行うそうです。
水中ではオスは前足をメスの頭部の前で震わせて求愛し、メスが動きを止めると交尾を開始します。
メスは精子を数年にわたって保存することが可能で、交尾した翌年でも保存した精子を用いて卵を産むことが出来ます。
アメリカでは4~7月に水辺の地面が露出している場所に穴を掘って、1回につき2~23個の卵を12~36日の間隔をあけて年に最大5回、平均では2~3回に分けて産みます。
地面が固い場合は体内に蓄えた水を排出して地面を湿らせてから穴を掘ります。
オスは2~5年で甲長が10~12cmになり、メスは生後5~8年で16~23cmになり性成熟します。
ミシシッピアカミミガメの飼育について
ミシシッピアカミミガメは緊急対策外来種なので、これから飼育したい方は良~く考えてから飼育しましょう!
ここでは日本におけるミシシッピアカミミガメの存在について説明しますので、全て読んでみて飼育方法を確認して欲しいです~。
日本でのミシシッピアカミミガメの存在とは?
ミシシッピアカミミガメは日本で緊急対策外来種になっています。
飼育は出来ますが、色々と問題視されていますのでこれから飼育したい方はじっくりと考えてから判断し、もし既にミシシッピアカミミガメがいて、ここにたどり着いた方は決して遺棄しないで終生飼い続けるようにしてくださいね~。
日本では1960年代から遺棄されたと思われる個体の発見例があるんです(;^_^A
亜種のミシシッピアカミミガメは流通量や遺棄された個体の発見例が多く、遺棄された基亜種の発見例も決して少なくないことから、緊急対策外来種になってしまいました。
いずれは特定外来生物に指定される可能性があり、その場合は大量に遺棄されたり、他種が代用として大量に流通することが懸念されています。
日本各地では城跡の掘りなど蓮の群生の消滅との関連も指摘されています。
もちろんペットとして日本にも輸入されていますが、主に亜種のミシシッピアカミミガメが流通し、ベビーのミシシッピアカミミガメはミドリガメとしてお祭りの縁日での「カメすくい」の定番となっていました。
ですが、2006年の動物愛護法改正などによって流通量は減少。
飼育に関しては、人工飼料で十分に育ってくれますが、成長すると気性が荒くなり、人間に噛みつくこともあるので一般家庭での飼育は難しくなります(-_-;)
ミシシッピアカミミガメが由来とされるサルモネラ菌の感染が問題視されますが、動物全般サルモネラ菌を体内に保菌している可能性があるので、むやみに生体を水槽から出さない、触れた場合は手を必ず石鹸で洗うことが大事になります。
飼育に使った水(飼育水)は台所の流しには流さないなど対策も必要です。
ミシシッピアカミミガメに限らずカメ全般にそうなんですが…………。
なぜ、ミシシッピアカミミガメが大量に遺棄されたりしたのか?
それは、2014年の1月に大手新聞社が「人気のミドリガメ輸入禁止へ」の記事を掲載。
それを見た飼い主などが飼育していたアカミミガメを遺棄。
大量に流通していたのもあり、遺棄された数も大量となってしまったんです…………。
ですが、実際には輸入や飼育に関しては何らかの制限を検討する準備段階だったそうで、大手新聞社が先走ってしまった結果大量遺棄となったのです。
その後もアカミミガメに関する記事を掲載しているそうで、それを見た人がまた遺棄したりするのではないかと関係者は懸念しているという状態です。
カメは悪いことは何もしていないのに、このような事態になってしまったので、もしこれからミシシッピアカミミガメを飼育するのであれば、終生責任を持って飼う決意がない方は飼わないで欲しいと思います。
もし既に手元にいるのなら、遺棄せず大事に終生飼育してくださることを願っています。
ミシシッピアカミミガメの飼育
ミシシッピアカミミガメの飼育についての詳細は調べても出てきませんでしたが、半水棲なのでイシガメやクサガメと同じ飼育環境でOKかと。
イシガメの飼育についてはこちら
日本では同じ池などにイシガメやクサガメ、ミシシッピアカミミガメが生息していたりしますので、イシガメの飼育方法を参考にし、餌については同じ雑食ではありますが、ミシシッピアカミミガメのほうが成長と共に植物食性が強くなるので、イシガメの餌を参考に飼育している子の食欲や好みを観察して植物性の餌の量を調整していきましょう!
カメの餌についてこちらを参考にしてください。
ミシシッピアカミミガメの寿命 まとめ
いかがでしたか?
なんか、人間って………………….。
決してミシシッピアカミミガメは悪くないのに、緊急対策外来種になってしまうなんて。
このままミシシッピアカミミガメが増え続ければ、特定外来生物に指定される可能性もあることも念頭に入れて飼育するか判断しましょう。
既に手元にいる場合は、決して遺棄せず大事に育ててください。
飼育している間に特定外来生物に指定されたら、指示に従うしかありませんが(-_-;)
是非とも大事に育ててあげて欲しいです♬
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