ニシキハコガメはヌマガメ科アメリカハコガメ属に分類されるカメです。
ニシキハコガメにはさらに2亜種あり、キタニシキハコガメとミナミニシキハコガメが該当します。
ここではニシキハコガメの特徴や生態、飼育についてご紹介します!
その他のハコガメの種類はこちらを参考にしてください。
ニシキハコガメの特徴や生態
- 生息地:アメリカ合衆国(アイオワ州、イリノイ州、サウスダコタ州、テキサス州、ニューメキシコ州東部および南東部、ルイジアナ州、アリゾナ州南東部)メキシコ(ソノラ州北東部、チワワ州北部)
最大甲長:14㎝
食性:動物食傾向が強い雑食性
寿命:不明
値段:10万~50万円
画像はキタニシキハコガメかと思われます。
それでは詳しく特徴や生態をご紹介していきます!
ニシキハコガメの特徴
ニシキハコガメの最大甲長は14㎝で、アメリカハコガメ属のなかで最も小型になり、オスよりメスのほうが大きくなります。
背甲の形はドーム状に盛り上がっており、上から見るとやや細長い円形や円形に近い卵型をしています。
背甲の色は黒や暗褐色で、放射状に黄色や黄褐色の斑紋が入ります。
椎甲板には筋状のキール(盛り上がり)がないか、あったとしてもごくわずか。
第1縁甲板は楕円形や三角形。
孵化直後の幼体は甲長が約3㎝で、背甲の色は黒や暗褐色で明色斑が入ります。
オスの後ろ足の爪が幅広く湾曲し、オスの成体は虹彩が赤い個体が多いです。
メスや幼体は虹彩の色が黄褐色です。
この特徴のほかに、亜種ごとに違いがあります。
キタニシキハコガメは放射状の明色斑が少なく、老齢個体では斑紋が消失したり、不鮮明になることはありません。
腹甲の色は黒は暗褐色をしており。放射状に黄褐色や淡黄色の斑紋が入ります。
ミナミニシキハコガメは、放射状の明色斑が多く存在し、老齢個体では斑紋が消失したり不明瞭になります。
背甲の色は淡緑色か黄褐色になり、腹甲の色は淡黄色で放射状に暗褐色の斑が入っています。
ニシキハコガメの生態
ニシキハコガメは、平坦~傾斜が緩やかで樹木がない、または藪が点在するような草原に生息しています。
亜種のミナミニシキハコガメは主に半砂漠や砂漠の周辺に生息します。
ニシキハコガメは昼行性のカメで、夜になると他の動物の巣穴などで休みます。
日光浴が好きで、体温が上がりすぎるとに影や地中、水中に避難します。
夏季の気温が高い日は、薄明薄暮性の傾向が強くなります。
北部の個体群は降雨時にはあまり活発に動かず、高温時に雨が降っていても活発に活動します。
アメリカの北部個体群は、9月から翌年の5月、南部個体群は10月から翌年の4月まで、堆積した落ち葉や枯れ枝の中、木の根元、他の動物の巣穴、自分で掘った穴などで冬眠します。
食性は動物食性が強い雑食性で、主に昆虫(特に甲虫類)を食べ、節足動物、両生類やその幼体、小型爬虫類、動物の死骸なども食します。
動物のフンや死骸に来る昆虫も食べます。
繁殖形態は卵生で、精子が春季から作られ秋季に成熟するのですが、清掃に貯蔵されるので冬眠時を除いていつでも交尾をすることが出来ます。
5~7月の夕方から夜間に砂や粘土質に開けた場所に、フラスコ状の穴を掘って1回につき1~8個の卵を年に1~2回に分けて産卵します。
卵は70~80日ほどで孵化し、飼育下で24℃の環境下で124~127日、28℃の環境下で67~73日、33℃では56~64日で孵化した例があります。
孵化した幼体は9~10月頃に地表に現れますが、地中で越冬して翌年の春に地表に出てくる個体もいます。
オスは生後7~10年、メスは生後10寝に状で性成熟すると考えられています。
ニシキハコガメと人間との関係
残念なことですが、開発による生息地の破壊やペット用の乱獲などによって生息数が減少しています(-_-;)
アメリカでは生息地の州法によって採集が規制されています。
ペットとして飼育されていた個体の遺棄や脱走により、人為的な分布の撹乱が懸念されています。
日本にもペット用として輸入されていますが、以前は種や亜種が区別されずに、北米産ハコガメとして流通していました。
アメリカハコガメ属の中で早くから生息地での採集や輸出の規制が行われたミナミニシキハコガメの流通量が減少。
1995年にアメリカハコガメ属が属単位でサイテス(ワシントン条約)に掲載され、立て続けにアメリカ合衆国からの輸出が飼育下繁殖個体も含めほぼ停止し、そのためにヨーロッパや日本国内で飼育下繁殖された個体が少量ですが流通しています。
ニシキハコガメの飼育
ここからはニシキハコガメに適した飼育環境や餌についてご紹介していきます!カメの基本的な飼育方法をベースにしてください。
ニシキハコガメの飼育環境
まずは飼育ケージですが、甲長の約3倍の幅の大きさのケージを選びます。
成体になっても14㎝ほどなので最低でも60㎝くらいの幅の飼育ケージが必要になります。
出来ればもっと大き目な90㎝以上くらいだと、ノビノビと育てることが出来ますのでオススメです。
爬虫類専用の飼育ケージや水槽、衣装ケースなどを使用し、通気性の良いものを選びましょう。
床材は保湿性のあるタイプで、5㎝~10㎝ほどの厚さに敷きます。
バスキングスポットは28℃くらい、その他の場所(クールスポット)の温度は22~24℃に、夜は15℃に飼育ケージ内の温度が保てるようにします。
ケージ内には飲み水用の浅くて重さのある(カメがぶつかってもひっくり返らない)水入れと、シェルターを出来れば2か所設けます。
無理なら1か所でもOKです。
なるべく広い環境で、乾燥した状態が必要になりますが乾燥しすぎもよくありませんので注意してください。
オスは気が荒い個体が多いので取り扱いには注意し、単独飼育しましょう。
バスキングスポットにはバスキングライト、そして紫外線を照射する紫外線ライトも必要になります。
冬場はこの2つだけだと適温が保てないようなら、別に保温器具を必要になります。
その他の詳細はこちらの陸棲カメの基本的な飼育方法を参考にしてください。
ニシキハコガメの餌
ニシキハコガメは雑食性なので、人工フードや昆虫類、ピンクマウスをメインに、野菜や果物なども加えてバランスよく与えます。
餌の種類や選び方、与え方はこちらを参考にしてください。
ニシキハコガメのまとめ
いかがでしたか?
小型の陸棲種なので、初心者にも飼育しやすいかと思います~。
爬虫類飼育では温度管理がかなり重要になりますので、しっかりと管理しましょう!
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