あまり亀について詳しくない方でも、ゾウガメと聞くと、かなり大きいと想像できるかと思いますが、そんな大きなゾウガメが一般の人に飼育ができるの?!
無理でしょ!!!
な~んて思いますが、実は普通にペットとして特別な許可も必要なく飼えるんです!
でも、一般家庭では飼育は無理かと思います(;’∀’)
そんなゾウガメのアルダブラゾウガメの特徴や生態などなどをご紹介していきます!
その他のリクガメの種類はこちら
アルダブラゾウガメの特徴や生態
- 生息地:セーシェル(アルダブラ環礁)固有種
- 最大甲長:138㎝
- 寿命:150年以上
- 食性:植物食性
- 値段:50~80万円(大きさによりかなり違います)
アルダブラゾウガメは分類については色々言われています(;’∀’)
小難しいことは専門家にお任せして、シンプルにご紹介していきます!
アルダブラゾウガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
最大甲長が138㎝とかなり大きくなり、背中の甲羅(背甲)の色は黒や黒褐色の一色で、お腹側の甲羅(腹甲)の大きさはやや小型で幅が広いのが特徴です。
頭部の形はやや扁平で、頭部や頸部、四肢、尾の色は暗灰色をしています。
アルダブラゾウガメの生態
アルダブラゾウガメの基亜種で説明します。
ちなみに基亜種とは、一番最初に見つかった(新種記載の)亜種がこれに当たります。
アルダブラゾウガメは海岸沿いにある草原や内陸部の低木林、マングローブからなる湿原などに生息しています。
野生下ではあまり日光浴は行わず、日陰の周辺で活動し、採食する時も尾を太陽の方向に向け、頭が甲羅の日陰になるようにします。
気温が高い雨季の晴天時は明け方から夕暮れ時に活発に行動する薄明薄暮性の傾向が強くなり、日中は日陰で過ごしたり水浴びや泥浴びをして暑さをしのいでいます。
食性は主に植物食性で、主にイネ科やシクンシ科などの低木の若枝や葉などを食べますが、同種やカニなどの動物の死骸や、同種のフンを食べることもあります。
海岸沿いに生息する個体は草木を、内陸部に生息する個体は主に樹に枝や若枝、葉を食べます。
水分補給は、鼻孔を使って浅い水たまりから水を飲むこともありますが、乾季に水場がなくなると、食べ物から水分を摂取したり、蓄えた水分や代謝によって生じた水分を利用します。
アルダブラゾウガメは大きいので、天敵(捕食者)がいなさそうですが、孵化直後の捕食者は、カニ、鳥類、外来種の猫、ネズミ類などが存在します。
そして、いかに厳しい環境で生活しているとわかるのが、熱中症での死因が最も多いことです。
繁殖形態は卵生で、1~5月(主に4月)の雨季に、オスは後方からメスの背甲に覆いかぶさり、断続的に鳴き声を上げて交尾を迫ります。
他のオスに対しても前方や側面から覆いかぶさり、自分が優位であることを主張します。
いわゆるマウンティングですかね~。
野生下では乾季に当たる6~7月の夕暮れから夜間にかけて産卵し、産卵場所には平坦で茂みや低木が点在する場所を好みます。
産卵は、1回に4~6個の卵を数年に1回しか生まないこともあれば、1回に12~14個の卵を年に2~3回に分けて産むこともあります。
その理由なんですが、産卵数が少ない場合は個体密度が高くて栄養状態が悪いからで、多いのはその逆になります。
産卵数や期間は個体密度や栄養状態による変異が大きいですが、飼育下では1回に20~25個の卵を産んだ例があります。
産卵する時は、牛s路足で25~30㎝ほどの深さの穴を掘って、その中に産卵することもありますが、地面の窪みや茂みの中に直接産卵することもあります。
卵は野生下で81~150日で孵化し、アルダブラ環礁では主に雨季の11~12月に孵化します。
飼育下では27~29℃の環境の元、110~183日、29~31℃で97~125日で孵化した例があります。
アルダブラゾウガメの現状と歴史
アルダブラゾウガメは、食用や油用、動物園の展示目的、はく製目的、ペット用の乱獲などにより生息数は激減しました。
20世紀初頭にはアルダブラ諸島を除いて絶滅しました(-_-;)
セーシェルでは法的に保護の対象とされ、生息地は1982年に「アルダブラ環礁」として世界遺産に登録され、アルダブラ諸島での学術的な調査などを除いた採集を禁止し、アルダブラ諸島への上陸が規制されるなど厳重に保護されています。
1977年からアルダブラ諸島の個体群が絶滅した際の保険・観光・調査の目的で、他の島に保護区を設けて繁殖、展示する試みが進められていますが、密猟されることが多く成功には至っていません。(# ゚Д゚)
1975年にワシントン条約(サイテス)発効時にはリクガメ単位で、1977年にはリクガメ科単位でワシントン条約(サイテス)Ⅱ類に掲載されています。
セーシェルでは1980年にアルダブラ諸島産の個体の商取引が禁止され、アルダブラ諸島産以外の個体のみ輸出されるようになり、輸出量は1990年までは激減していましたが、1991年硫黄は輸出量が急増し、1991~1995年には500頭以上が正規輸出されました。
1997年に輸出が一時ストップし、2001年以降の輸出は成体30頭、幼体50頭の上限を設けられました。
生息数は増加傾向にありましたが、生息地の乾燥化や食糧不足により生息数が再び減少しましたが、1998年以降は生息数が安定。
一方では分布域がかなり限定されているので、災害や感染症による絶滅が懸念されています。
1978年での生息数は150,000頭、1998年では100,000頭と推測されています。
ペットとして日本にも輸入されることもあり、主に基亜種の幼体が流通し、セーシェルうやタンザニア産、モーリシャス産、日本産の飼育下繁殖個体(CB個体)がごく稀に流通します。
アルダブラゾウガメの飼育
こんな大きくて寿命が長いゾウガメが一般家庭でも何の許可もなく飼育できるのは驚きですが、かな~り大変です(;^_^A
自分の代だけでは飼育が無理で、自分の子供、孫まで飼育が出来るという保証がない限りは飼育すべきではないと思います。
アルダブラゾウガメの飼育
かなり壮大なスケールになります(笑)
まずは飼育するスペースです。
体長が小学校低学年の子供ほどに大きくなりますので、非常に少なく見積もっても6畳以上のスペースは必要になります。
さらに体重が数百kgにまでなるので、室内や高層階での飼育は不可能と思ってください!
そうなると、一軒家で1階部分をアルダブラゾウガメに安心飼育できるように改装したり、屋外で飼育施設を作る必要があります(;’∀’)
アルダブラゾウガメの健康を維持するためや、甲羅を美しいドーム状に成長させるためには壁や天井に紫外線ライトを設置し、成長するに従い体重やパワーが増すので、床や壁の補強なども必要になります。
床は土をむき出し状態に、干し草なども敷いておくと、お腹がすいたら勝手に食べてくれます。
アルダブラゾウガメは熱帯地域に生息していますので、気温が低くなると体調が悪くなる場合があります。
幼体時は特に高温多湿がベストなので、室温は常に25℃前後を保つように注意します。
その他に、25℃前後に保ったスペースの一角には35~40℃のバスキングスポットと呼ばれる高温部を作ります。
アルダブラゾウガメは水浴びをして水分を補給したり、体温調節をしますので、体がすっぽりと入る大きさで浅めの容器やプールが必要です。
アルダブラゾウガメの餌
ゾウガメはかなり大型の亀になりますので、成長のためにはかなりの量のカルシウムが必要です。
そのため、主食とする餌にはカルシウムを豊富に含んでいる、小松菜、大根の葉、株の葉、モロヘイヤの葉などの葉野菜をメインにします。
副菜としては、主食プラスで栄養バランスを考え、レタス、白菜、キュウリ、ニンジン、トマト、カボチャなどを与えます。
そして、水分が豊富で甘い果実はゾウガメの大好物ですが、与え過ぎると偏食や肥満、さらには糖尿病などになるので、あくまでおやつ程度にします。
オススメの果物は、リンゴ、バナナ、キウイ、ミカン、マンゴー、イチゴ、パパイヤになります。
野草を与えることもできます。
野草は丈夫なので、自家栽培ることもできて、エサ代も助かります。
ゾウガメに与えることのできる野草では、オオバコ、桑、桑草、ヤブガラシ、タンポポ、ヨモギ、蓮華、シロツメクサ、ハコベなどです。
では人工フードはどうでしょうか?
これは栄養価が高すぎるので、主食にはなりませんが、栄養を補うために1週間に1回程度に与えましょう。
そして、爬虫類飼育において、よくカルシム剤が必要となりますが、ゾウガメもビタミンやミネラル、カルシウムを補うために時々少量を与えます。
主食となる葉野菜プラス、副菜を混ぜて与え、時々おやつに果物を与えますが、体温が低下すると消化不良を起こしますので、バスキングライトを消灯する2時間前には食べ終わるように餌を与えましょう!
注意したいのが、餌の量は個体の甲羅の大きさと同じくらいが適量とされていますが、気温が低くなる季節などは食欲が落ちますので、様子を見ながら与える餌の量を調整することが必要になります!!!
アルダブラゾウガメに与えてはいけない餌
ゾウガメにはカルシウムが大事ですが、ホウレンソウにはカルシウムの吸収を妨げるシュウ酸が豊富に含まれているので、与えないようにしましょう。
そして、キャベツやブロッコリーは副菜としてはOKですが、甲状腺腫誘発物質が多く含まれているので、毎日長期にわたって与えないように!
さらに、アクや刺激が強い物、球根をもつ観葉植物はゾウガメにとって有害な物質を含むので絶対にダメ!
一例をあげてみましょう。
給餌頻度
幼体時に栄養失調になると、回復するのがとても難しくなりますので、食べ残さない程度の量を1日に3回、多めに与えます。
これは、大事なカメちゃんをよく観察し、適量を見つけるしかありません。
成長が止まった成体には、食べ残さない量の餌を1日1回、午前中の日が高いうちに与えますが、運動量が少なくて代謝が悪いので肥満防止のため、1週間に1日は絶食する日を作ります。
アルダブラゾウガメのまとめ
ホント意外でしたが、まさか飼育できるとは!!!
ですが~。
相当条件が厳しいのがお分かりいただけたかと思います~。
もし飼育できる環境があったとしても、自分が飼育できなくなった時に飼育してくれる人がいるのかどうかがわからないのであれば、アルダブラゾウガメのためを思って、飼育は諦めないといけませんね。
生き物は大切にするというのは、こういうことも含まれるということですね!
コメント
[…] 画像の出典 […]