ヘルマンリクガメは、リクガメの仲間の中でも小型で、初心者でも飼いやすいと言われ人気なリクガメです♬
そんなヘルマンリクガメについて飼い方や特徴、生態などをご紹介していきます!
その他のリクガメの種類はこちら
※寿命や値段が不明な種類もいます。探しても見つけられませんでした。そして値段は調べた時の値段なので、かなり値段に差が出る場合もありますので、あくまで参考まで。
ヘルマンリクガメの特徴や生態
- 生息地:スペイン、イタリア、フランス南部~トルコ西部の地中海沿岸地域に広く分布
- 最大甲長:35㎝
- 寿命:約35~50年
- 食性:植物傾向の強い雑食性
- 値段:15,000~25,000円ほど
丸いフォルムが可愛らしい小型のリクガメであるヘルマンリクガメは、リクガメ科ヘルマンリクガメ属のカメで、本種のみでヘルマンリクガメ属を構成しています♪
ヘルマンリクガメの特徴
※特徴に関して専門用語みたいなのがありますが、青文字をクリックすると、図が見れます~。これを見るとより分かりやすいです♬
ヘルマンリクガメにはさらに3種類(亜種)が存在します。
ヒガシヘルマンリクガメとダルマティアヘルマンリクガメ、ニシヘルマンリクガメです。
共通している特徴としては、背甲がドーム状に丸く盛り上がり、オスの尾の先端には鉤状のウロコがあるところです。
それぞれ生息地や特徴が違う部分もありますので、それぞれご紹介します。
ヒガシヘルマンリクガメ
生息地は、アルバニア、イタリア(北西部を除く)、ギリシャ西部、クロアチア、スロベニア東部、セルビア、トルコ西部、ブルガリア、マケドニア共和国、ルーマニアです。
身体的特徴は、ヘルマンリクガメの亜種の中でも最大種(大型なのは一部個体群のみとされます)。
背中の部分の甲羅(背甲)の幅はやや広めで、色彩は褐色がかっており、暗色の斑紋との色味でみる境目が不明瞭になっています。
お腹側の甲羅(腹甲)の暗色の斑は甲板ごとに分かれていて、繋がらないか一部のみで繋がっています。
ダルマティアヘルマンリクガメ
生息地は、クロアチア南部、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ南部、モンテネグロで、
身体的特徴は、最大甲長が17.4㎝とヘルマンリクガメの亜種の中では最小種で、腹甲の鼠蹊甲板がありません。
頭部には明るめな斑紋が入る個体が多いです。
ニシヘルマンリクガメ
ニシヘルマンリクガメの生息地はイタリアの北西部およびサルディーニャ島、シチリア島、スペイン東部(バレアレス諸島を含む)、フランス南部です。
身体的特徴は、最大甲長が19㎝で背甲の幅は広めで、色は明色で背甲に入る暗色の斑との違い(境目)が明瞭です。
ダルマティアヘルマンリクガメと違い、腹甲には鼠蹊甲板が存在し、暗色の斑は繋がり太い帯状になっています。
頭部には明色の斑紋が入る個体が多いです。
ヘルマンリクガメの生態
地中海性気候の標高1,500m以下にある乾燥した常緑広葉樹林に生息しますが、その周辺にある草原や落葉広葉樹林、灌木(低木)林、これらを開発した農耕地などにも生息しています。
夏季になると、主に明け方と夕暮れ時に、時には薄軽い月夜などに活発に行動し、冬季に入ると冬眠しますが、南部個体群では気温の高い日には活動することもあります。
食性は植物食性の強い雑食性で、主に草を食べますが、木の葉や果実、昆虫類、陸棲の貝類などを食べることもあります。
繁殖形態は卵生で、主に春頃に交尾をしますが、秋ごろに交尾をすることもあります。
オスはメスの頭部や首元、手足に噛みつき、尾の先端の鉤状のウロコでメスの尾などをひかっく、メスの上に乗って前足でメスの背甲を叩くなどして交尾を迫ります。
これが人間ならかなりアウトですね(;’∀’)
1回に2~12個の卵を産み、その卵は90~120日で孵化。
26℃の環境下では83日、29~34℃の環境下では56~58日で孵化したという例があります。
興味深いのが、ヒガシヘルマンリクガは性染色体を持たず、発生時の温度によって性別が決定するんだそうです!
31~32℃ではオスとメス両方が生まれ、それより低温である25~30℃だとオス、高温の33~34℃だとメスが生まれます。
ヘルマンリクガメの現状
残念なことに、農作物を食害する害獣としてみなされることもあり、開発による生息地の破壊や害獣としての駆除、ペット用の乱獲などによって生息数は減少しています(-_-;)
少し救われるのは、多くの生息地では法的に保護の対象となっており、採集や輸出が制限されています。
ペットとしても日本に輸入されていますが、飼育下での繁殖個体のみが流通し、主に亜種のヒガシヘルマンリクガメが流通していますが、亜種間での雑食が流通している可能性もあり、亜種としての特徴が曖昧な個体もいます。
そして亜種のダルマティアヘルマンリクガメは確実な輸入例がないそうですが、亜種のヒガシヘルマンリクガメとして流通していた可能性もあります。
主に流通している個体が飼育下での繁殖個体なので、リクガメの飼育入門種として紹介されることもあります。
ヘルマンリクガメの飼い方と餌
こちらの画像はヒガシヘルマンリクガメです♬
それではヘルマンリクガメの飼い方と餌についてをご紹介いたします!
ヘルマンリクガメの飼い方
ヘルマンリクガメはリクガメの中では小型ですが、意外にも運動量が多いのでなるべく広めな飼育ケージを用意してあげてください。
選ぶ基準は、横幅が体調の約5倍で奥行きが3倍、高さが2倍以上が理想的ですが、市販の飼育ケージは横幅や高さがクリアしても、奥行きが足りないんです(;^_^A
なので、横幅も広めを選ぶしかありません。
ニシヘルマンリクガメだと最大甲長が19㎝、ヒガシヘルマンリクガメだと最大甲長が35㎝ですが、あくまで最大甲長なので、飼育個体での平均がヒガシヘルマンリクガメの場合は20㎝前後、ニシヘルマンリクガメだと15~18㎝となります。
そうなると、ヒガシヘルマンリクガメで市販のケージを選ぶとなると、横幅が120㎝、ニシヘルマンリクガメだと90㎝の飼育ケージがベストとなります。
それでも奥行少し足りないかも(-_-;)
ヒガシだと、たまに放し飼いしたりして運動させるか、90㎝のケージを使い、基本放し飼いにするしかありません。
ニシだと、放し飼いしないのであれば、最終的に120㎝幅の飼育ケージが良いでしょう。(置き場所が確保できれば)
飼い始めはまだ小さいと思うので、ある程度成長したらケージを大きいものに替えるなどが必要です。
始めから最大甲長でも飼育できる大きさの飼育ケージを使用すると、飼育ケージ内の温度管理が難しくなりますので、初心者の方は特に成長に合わせたケージ選びをしましょう!
飼育ケージの床には床材が必要です。
オススメはヤシガラです。
飼育する際の飼育ケージの湿度は50~70%前後になるようにします。
床材は雑菌が繁殖しやすいので、排泄物を見つけたらすぐにその周りの床材と共に除去し、1~2か月に1回は全ての床材を交換し、その際にケージ内も全て清掃しましょう。
爬虫類全般に言えますが、飼育するうえで重要になってくるのが温度管理です。
飼育ケージ内に温度に関係するのがライトや保温器具です。
ライトは主に2種類必要です。
バスキングスポット(日光浴する場所)に当てるバスキングライト、そして紫外線ライトの2つになります。
バスキングスポットの温度は35~40℃にし、個体差によって好みが違うので、バスキングスポットにいる時間が短いようなら温度が高すぎ、妙に長いようなら低すぎる可能性があります。
短い長いの間隔は、愛カメちゃんを観察して判断しましょう。
温度の調整はかめちゃんを飼育する前に(入れる前)調整すること。
調整はライトとバスキングスポットの距離や角度を変える、ワット数を変えるなどしましょう。
ヘルマンリクガメは日光浴を好みますが、なるべく直射日光が当たらない場所に飼育ケージを設置してください。
直射日光が当たると、ケージ内の温度管理が難しくなりますので注意です!!!
そして、バスキングスポットはケージ内の左右どちらかに寄せて作り、バスキングスポット以外の場所(クールスポット)の温度は昼間は25~28℃、夜間は18~20℃に保つようにします。
ケージ内に2種類の温度を作ることが大切なんです~。
季節によってはバスキングライトだけではクールスポットの温度を作れないので、その場合は保温器具を追加して使用します。
飼育ケージ内には隠れ家となるシェルターも設置してあげてください。
ヘルマンちゃんが落ち着ける場所を作ってあげることも大事です。
さらに、飲み水用と水浴び用に水入れが必要です。
水浴びもたまにしますので、全身が浸かることのできる大きさを選びます。
水の中で排泄もすることがあるので、水が汚れたらすぐに取り換えましょう。
餌入れも床材に直接置くのではなく、餌入れに入れて与えてください♬
ここで述べられていない飼い方などはリクガメの飼育の記事を参考にしてください。
リクガメの飼い方をベースにしてくださいませ。
ヘルマンリクガメの餌
ヘルマンリクガメに与える餌は、小松菜、チンゲン菜、大根の葉、ベビーリーフなどの葉野菜を主食にし、カボチャやニンジンなどの根菜を食べやすい大きさにカットしてリクガメフードを水でふやかしたものを混ぜて、おかずのように与えるといいです。
その他にもタンポポやトマトも食べます。
バナナやリンゴなどのフルーツ類は糖分が多いので、与え過ぎには注意が必要なので、餌を食べてくれない、食欲がないなどの時に与えましょう。
リクガメフードを混ぜて与えない場合は、カルシウムが不足してしまうので、カルシウム剤をまぶして与えます。
カルシウム不足は骨や甲羅に影響が出て、内臓の成長に甲羅の成長が追い付かなくなると、内臓が圧迫されて死に至ることもあります。
そして栄養価の高い餌を与え過ぎるのも注意です。
旬の野菜を上手に使い、バランスのよい餌選びをしましょう。
その他にも、上でリンクを貼っているリクガメの飼い方の記事にも餌について書いてますので参考にしてください。
さらにカメの餌についても是非読んでみて下さい。
ヘルマンリクガメのまとめ
いかがでしたか?
ヘルマンちゃん、リクガメの中では小型と言われますが、とにかく活発に動くので、最終的に放し飼いも視野に入れることをオススメします♪
もし飼育する機会がありましたら、終生可愛がってあげてください♬
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